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戸籍の「アイヌ」記載問題について.2

第107回国会 社会労働委員会 第3号
昭和六十一年十一月二十五日(火曜日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/107/1200/10711251200003a.html
(議事録より抜粋)


○千葉景子君 これは戸籍の関係になるかと思いますけれども、戸籍の面で現在でも残っているような差別あるいは特別な措置、こういうものはございませんでしょうか。法務省にお伺いいたします。

○説明員(細川清君) お答え申し上げます。
 現行の戸籍制度上あるいは実務上におきましては、ウタリ出身の方々につきまして一般の場合と取り扱いが違うということは全くございません。

○千葉景子君 ちょっと私が調査したところによりますと、戸籍上、旧土人給与地戸籍より入籍とか、こういう書き方が残っているのではないだろうかと思われるんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○説明員(細川清君) お答え申し上げます。
 今御指摘の北海道旧土人保護法によりまして下付された土地につきましては、通常の行政区画の中に通常ございます町名、字名、地番というものは古い時代には付されていなかったという事情がございます。したがいまして、戸籍上非常に古い大正年間ごろまでの戸籍におきましては、その場所を特定するために北海道旧土人給与地で出生というような記載がなされた事例がございます。ただ、この点につきましては現行の取り扱いでは、その出生地につきましては具体的な場所を記載するということではなくて、最小行政区画を記載するようになっております
 そしてまた、昭和四十七年ごろにこの点の古い戸籍が問題になりましたので、私どもといたしましてはそういう記載は必ずしも適当でないというふうに考えましたので、この点の戸籍を再製するときはその記載を除去しまして、現行の取り扱いに応じて最小行政区画だけを記載するようにと、そういう指導をしておるわけでございます。


戸籍の「アイヌ」記載問題について

第072回国会 法務委員会 第7号
昭和四十九年二月二十日(水曜日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/072/0080/07202200080007a.html
(議事録より抜粋)


○川島(一)政府委員 こういった問題につきましては、最初に申し上げましたように、民事行政審議会で十分検討をしていただければ、それに基づいた処置をとることになろうか、こういうふうに考えておるわけであります。
 どういう点に問題があるかということでございますが、最近プライバシーの問題がいろいろやかましくなってきておりまして、他人の戸籍を見て、それを一般に情報として提供する、こういうことが問題になったこともございます。それから、一つは同和の関係がございます。同和問題との関係で、戸籍を自由にだれにでも閲覧させるということは、場合によっては個人のあまり知らしたくない事項を人に知られる結果になるから、若干そういった点についての配慮を加えてほしい、こういった問題もあるわけでございます。

○稲葉(誠)委員 除籍謄本の古いのをずうっとさかのぼっていくわけでしょう。いきますと、あれを整理したのはいつでしたっけね。大正四年か何かに整理しましたね。残っているのがあって、何ですか、壬申戸籍というのですか、あれはどういうふうなものですか。
 それから、ちょっと一部のあれに出ていたのですが、たとえば北海道における民族、そういう人たちのことを何か別な形で表示しているのが残っているのですか。そこはどういうふうに法律的になって、実際はどういうふうになっているのですか。

○川島政府委員 まず北海道の問題から申し上げますと、昔アイヌ人に土地を給与した、土地を与えたという例がございます。その場合に出生地として土人給与地において出生、こういう記載が戸籍にされたことがございます。そうしますと、それを見ると、この人はアイヌであるということが戸籍の上でわかってしまう。これは、場合によってはその本人としてぐあいが悪いということもございますので、そういう戸籍を直してほしいという要望がございまして、これはそのように処置いたしたわけでございます。
 それから壬申戸籍の問題でありますが、これは明治五年式の戸籍にいろいろ俗称というものが書いてあったわけですが、その俗称の記載が相当まちまちでございまして、中にはあまり好ましくない表示がされておるものがあるということでございました。そこで、明治五年式戸籍というのは明治十九年にまた改められまして、取り扱いが変わったわけでありますが、明治五年から十九年までの間につくられました戸籍が壬申戸籍でありまして、これにつきましてはそういういろいろ問題がございますので、法務省といたしましては、この保管については特別な取り扱いをせよということにいたしております。現在閲覧は一切許さない。それから、そういう戸籍は全部一カ所にまとめて、そうして包装して封印をするという厳重な取り扱いをしておるわけでございます。保存期間が満了いたしまして、すでに廃棄したものもございます。そういう実情でございます。

○稲葉(誠)委員 それから、どこどこの刑務所で出生したというのはまだ戸籍に載っているのですか。それはいまやめたの。壬申戸籍というのはいつごろ全部破棄になる見込みなんですか。

○川島政府委員 戸籍の保存期間は、除籍になりましてから八十年ということになっております。したがいまして、まだ残っておるものもあるようでございますが、大体そういうことでございます。
 それから、刑務所で出生したというような記載でございますが、そういう記載のあるのがかつてはございました。現に除籍などにそういう記載が残っておりますが、そういうものにつきましては、戸籍謄本を発行する場合には写してはならないという取り扱いにいたしております


アイヌ修学資金制度の問題

北海道議会議事録
平成22年第1回予算特別委員会第2分科会-03月18日-03号
より


北海道議会議事録
平成22年第1回予算特別委員会第2分科会-03月18日-03号

◆(滝口信喜委員) それでは次に、アイヌ政策の推進についてお尋ねをいたしたいと思います。
 御承知のとおり、国のアイヌ政策推進会議が開かれておりまして、先般、二つの部会が開かれたというふうに聞いておりますけれども、今後どのような検討が行われるのか、まず最初に伺っておきたいと思います。

○(田村龍治委員長) 総務課参事村井篤司君。

◎(村井総務課参事) アイヌ政策推進会議についてでございますが、国の有識者懇談会の報告を受けまして、総合的かつ効果的なアイヌ政策を推進するため、新たに、アイヌ政策推進会議が設置され、ことし1月29日に第1回目の会議が開催されたところでございます。
 また、3月11日には、民族共生の象徴となる空間と、北海道外に住むアイヌの生活実態調査を検討するための第1回作業部会が開催されたところでございます。
 民族共生の象徴となる空間の作業部会では、この部会のアイヌ民族関係者から、その意義や必要性などについて提案をいただき、それをもとに、外部の専門家からのヒアリングや、先進地事例の整理などを行った上で、象徴となる空間の具体像の検討などを今後1年程度かけて行うこととなったところであります。
 また、北海道外のアイヌの生活実態調査の作業部会では、社会調査などの専門家や、これまで生活実態調査を実施してきた道に対しましてもヒアリングが行われまして、調査方法や項目が確定された後、道外の生活実態調査を来年度中に実施することとなったところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) 今お話があったように、二つの部会は、民族共生の象徴となる空間という、いわゆる文化の面といいましょうか、こういうこと、もう一つは、道外のアイヌの生活実態を調査するということでありまして、生活支援にこれからどう取り組んでいくかということで、新しい流れに大きく進んでいくというのが今の状況であります。
 そこで、今日まで議会の場でもさまざま問題になってまいりましたけれども、アイヌ子弟大学等修学資金等貸付制度について伺っておきたいと思います。
 最初に、この資金については、高校も含めてでありますけれども、やはり何としても、大学への進学率を向上させていこうということであります。当然、アイヌ施策としては、教育、就労、人権というのが大きな課題になっております。これを、さまざまな事業や施策を通してどうやっていくかということであります。
 それで、道が行う教育支援策というのが果たしてきた役割は極めて大きいと私は考えていますけれども、この制度の創設の理念をまず最初に伺っておきたいというふうに思います。

◎(村井総務課参事) アイヌ子弟に係る修学資金制度創設の理念についてでございますが、この制度は、道内に居住するアイヌの子弟で、大学教育を受ける能力を持ちながら、経済的理由により当該教育を受けることが困難な者に対し、その修学に必要な資金及び入学に必要な資金を提供することによりまして、アイヌ子弟の教育の振興に資することを目的に、昭和51年度に、国庫補助を受け、給付制度として開始し、昭和57年度に貸付制度に改正し、今日に至っているところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) そういうことが理念だということであります。
 そこで、このたび、修学資金制度を改正するというふうに聞いておりますが、この理由──道の政策評価制度がありますけれども、昨年、この事業は、私の調べたところによれば、継続すべきということになっているはずであります。
 さらに、この修学資金制度の改正の内容をお聞きしますと、返還免除の基準額の見直しというものがあるようであります。これは、日本学生支援機構奨学金の返還猶予の基準である300万円を用いているということになっているようでありますけれども、あわせて、どういう内容か、伺っておきたいと思います。

○(田村龍治委員長) 環境生活部次長笠原清孝君。

◎(笠原環境生活部次長) 修学資金制度の改正の内容についてでございますけれども、当該制度を、実質的に返還が行われるような制度に改正するといたしましても、道内のアイヌの人たちの厳しい生活実態を踏まえますと、減免規定も必要であるというふうに考えているところでございます。
 減免規定を設けるに当たりましては、その基準をどこに置くかにつきまして、さまざまな角度から検討いたしました。
 その結果、日本学生支援機構の奨学金制度におきまして、生活困窮者に係る返還の猶予基準を年収300万円以下としていることを参考にいたしまして、北海道労働局が行いました、大学新卒者の初任給に関する統計調査のほか、北海道職員でございますとか札幌市職員の大卒初任給などを比較検討しました結果、それぞれが300万円程度ということでございましたものですから、減免基準といたしまして、年収300万円以下とすることが適当であると判断したものでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) 今、二つ聞きました。
 まず、修学資金制度改正の理由は何かです。そして、その内容については、聞くところによると、今言われた奨学金の金額ということでありますので、最初の、改正の理由について、もう一度お尋ねします。

◎(笠原環境生活部次長) 申しわけございません。
 修学資金制度改正の理由についてでございます。
 本制度は、昭和57年度に貸付制度に改正を行ったものでございますが、ほとんどの借り受け者が減免規定の適用を受けまして、給付に近い形となっておりましたことから、これまでも、減免規定の見直しでありますとか、貸付期間を正規の修業年限とするなど、改正を行ってきたところでございます。
 また、昨年、政策評価におきまして審査したわけでございますけれども、これは、本制度の必要性について審査をさせていただきまして、その結果、事業は継続することが必要というふうに判断をいたしたものでございます。
 以上、申し上げましたように、本制度につきましては、その都度、改正を行ってきておりますけれども、給付に近い形での運用は解消されておりませんで、所管の文部科学省からは、その後におきましても、返還の減免基準の見直しなどについて指摘をされてきているところでございます。
 このような状況に加えまして、この修学資金制度が、将来、現行の内容のままで全国展開されることは、国民の理解を得ることが極めて難しいというふうに思われましたことから、平成21年の第1回及び第2回定例会での議論を踏まえまして、実質的に返還が行われるような制度に改正をすることとしたものでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) 今、制度については、その都度、改正を行ってきたということでありましたけれども、具体的、時系列的に、この制度の改正についてお示しをいただきたいと思います。

◎(村井総務課参事) 制度改正の具体的な流れについてでございますけれども、時系列的に申し上げますと、まず、平成14年度に、貸し付けの申請書に経費の内訳書を添付させるというふうな改正を行ったところでございます。
 次に、平成15年度には、先ほどの答弁の中にもございました、貸付期間を大学等の正規の修業年限以内とするような改正を行ったところでございます。
 また、平成19年度には、これも先ほどの答弁にございました減免基準につきまして、生活保護法の保護基準により算定いたします最低生活費の年額の1.7倍を1.5倍に改正したところでございます。
 また、平成20年度には、減免の判定につきまして、平成21年3月の卒業生の方から、卒業後のほか、3年を経過した後にも再度行うように改正したところでございます。
 また、平成21年度には、申請の際に、申請者本人が貸付制度の対象者であることを申し入れていただく申出書を添付していただくように改正を行ったところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) その都度、改正をしたというふうに言っていますけれども、今お聞きをしますと、減免基準の関係については、1.7倍を1.5倍に改正したということだろうと思うのです。
 それで、今、1.5倍というのは585万円だとお聞きをしておりますけれども、1.7倍を1.5倍に改正する前の数字というのはどの程度だったのですか。

◎(村井総務課参事) 減免基準の算定に当たりまして乗する係数の関係についてでございますけれども、ただいま委員からお話があった点につきましては、試算いたしますと、1.7を乗じた場合には620万円ということでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) そうしますと、平成19年度に、620万円から585万円に変えたということであります。ですから、昭和57年度から貸付制度になって、平成19年度の改正までは、620万円でずっと来ていた、こういうことだろうというふうに思います。
 それで、貸付制度に変わるときに、ほとんどの借り受け者が減免規定の適用を受け、給付に近い形となっていたという話もございます。ですから、620万円ということであれば、当然、当初から予測できた金額ではないかなと思います。
 しかし一方では、制度の創設の理念として、アイヌの人方の厳しい生活実態から、こういう制度でいこうということで進めてきたのではないかと思います。
 そこで、文科省から指摘をされたということでありますけれども、いつごろ指摘をされたのか。

◎(村井総務課参事) 文部科学省からの指摘についてでございますけれども、国の平成10年度予算要求時の大蔵省の指示に基づきまして、平成9年度に、文部科学省のほうから御指示などがありましたことを初めといたしまして、平成13年度、17年度、18年度など、たびたび御指摘を賜っているところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) それでは、585万円以上の所得がありながら、返還をしていないという件数があるのかどうか。一方では、585万円を超えて、返還している実績もあわせてお尋ねをしたいと思います。

◎(村井総務課参事) 返還の件数についてでございますけれども、現在まで、3名、返還をしていただいている方がおられるところでございますけれども、このうち、基準額を超えたことによる返還の事例はないものでございます。
 以上でございます。

–(後略)–

明治・大正の新聞資料

アイヌ人保護の請願に代表が上京(明治28年1月15日 報知)

愁訴に政治家は耳を傾けよ(明治28年1月27日 国民)

北海道土人保護法の審議(明治28年2月27日 時事)

保護法案審議(明治28年3月15日 時事), 北海道庁の暴政を非難(明治28年3月15日 国民)

保護法廃案となり、有志が保護会設立(明治28年5月1日 時事)


保護条例制定に向かう(明治30年10月9日 時事)


樺太
原住民、移住民、追放人らの現状(明治31年2月4日 官報)


北海道旧土人保護法を公布(明治32年8月2日 官報)

保護法に伴う予算問題(明治33年3月30日 時事)

アイヌ地紛争事件
近文原野を取り上げ、大倉組に払い下げか(明治33年4月25日 時事)

近文問題は園田長官の失政(明治33年4月25日 日本)

近文問題に関する園田長官の談話(明治33年4月26日 時事)


大倉と三浦暗躍、「転地願書」に捺印さす(明治33年4月30日 毎日)

上京団、枢密院議長に陳情(明治33年5月1日 時事)

「三浦不起訴」の検事正、不可解な発言(明治33年5月1日 毎日)
近文原野はアイヌの土地と決定(明治33年5月6日 時事)

近文問題解決に近衛篤麿ら尽力(明治33年5月7日 時事)

上京中のアイヌ人、内務省の意向を確認(明治33年5月21日 毎日)

近文問題で内務省が園田長官を譴責(明治33年5月23日 報知)

旧土人保護法に基づく学校教育を計画(明治34年1月6日 時事)

近衛篤麿らが実業練習所を設ける計画(明治34年2月9日 時事)

学校建設地は室蘭に決まる(明治34年5月12日 東京日日)

白老病院開設(大正11年3月9日 北海タイムス)


アイヌの児童教育規定を廃止(大正11年4月28日 北海タイムス)


白老のアイヌ福祉施設と病院(大正11年8月13日 北海タイムス)

アイヌ民族に対する質問主意書への答弁

2019年(平成31年)2月13日に、国民民主党の大西健介議員から提出された質問主意書「アイヌ民族に対する質問主意書」への「答弁」が、同年02月28日に公開されました。


平成三十一年二月二十二日受領
答弁第四二号
内閣衆質一九八第四二号
平成三十一年二月二十二日
内閣総理大臣安倍晋三
衆議院議長大島理森殿

衆議院議員大西健介君提出アイヌ民族に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員大西健介君提出アイヌ民族に関する質問に対する答弁書

一から三までについて
御指摘の「アイヌの血を引く人」の具体的に意味するところが明らかでないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。
なお、北海道が平成二十九年に実施した「北海道アイヌ生活実態調査」における「アイヌの人数」は、一万三千百十八人と報告されていると承知している。


アイヌの定義とは?

前項の通り、どこからが「アイヌ文化か?」という定義も、成立自体が長い時間を掛けて混交・交流した結果なのだから、それを「どこかの時点」で線引き出来るはずもなく、また地勢的にも混交の濃度がまちまちなのだから「境界で区分」も出来ず、それ故に「アイヌ民族とは何か?」を定義できないのも当然の事。

つまりは、そうした定義に拘って「何がアイヌか?あるいは非アイヌ(和人)か?」という区分で「人を分ける行為」には「差別」しかない。

しかしながら、7~800年ほど続いた「アイヌ文化」と呼ばれるものは在ったし、各地の部族も存在して、それぞれ毎にルーツも有るので、そうした存在や文化を「無かった事」には出来ない。

ただ、現時点では、それぞれの部族ごとの個別の文化を継承する方々も殆ど居らず、また新たな継承者を求めようにも「民族の血」に拘ったところで、そもそもの「民族」の定義が出来ないのだから、その「血」を求めるのが不適切だし、「血に依る差別」を生じるだけだろう。

つまりは、これからのアイヌ団体の在るべき姿としては「アイヌ文化に触れたい・学びたい」と願う人なら誰でも加入でき、基本的には「懲罰的退会処分」以外には「脱退させられる」事も無く、加入条件は「本人の意志」のみ。さらには「国籍も問わない」という、あくまでも「文化的・学問的・民俗的」な「希望者が集う市民団体」としての「アイヌ協会」に変革すべきなのだろう。

当然、団体に加入したからと言って「個々の生活」への助成など不要だし、特別な控除も扶助も資金援助も無く、また、そうした何らかの権利を求める「活動家」では無いのだから、あくまでも「市民参加」の団体に過ぎない。

ただ、アイヌ協会に加入する事で、協会主催や博物館や大学センターなどが協賛・共催するアイヌ関連のイベント等に「スタッフ」として優先的に参加できるなどの「参加者・ボランティア」の枠が得やすいとか、勉強会・体験会に参加してアイヌ文化を学ぶ機会を多く持てる、というメリットは有るべきだろう。
というか、そうした事(アイヌ文化を学び体験する)が目的の団体なのだから。

そして「誰でも広く参加できる」が基本なのだから、参加している方々の「権利」は日本人としての一市民に過ぎないし、「伝統の文化」もまた日本の中の伝統文化の一部なのだから、何処かに占有的に使用する権利が有る訳もなく、ましてや「文化の盗用」などと云う概念など百害あって一利なしで、むしろ積極的に広く伝えて使われるべきだろう。

そうして広くアイヌ文化が伝わり、アイヌ文化について触れる人が増え、日本の国土に住まう人々の歴史の一部としてアイヌの歴史も尊重される。

それは同時に、分母が拡がる事で拡散され、形を変えた新しいアイヌ文化が生まれる事も意味する。

日本の寿司が、世界各地に広がった結果、新たな「SUSHI」として様々な可能性を拡げたように。

しかしながら、そうしてなお、核となり、尊重され、受け継がれるモノが有る。それこそが国体であり国家・民族の象徴だろう。

いわば、英領・連合王国から独立した各国にあっても、今なお国旗の一部にユニオンジャックを飾り、エリザベス女王を刻んだ硬貨を使い続けて、英国王室を尊重するのと同じように。

アイヌは先住民族か?

この問題について、アイヌ文化の成立から考えてみると、その発生の経緯としては、南は沖縄・琉球から日本列島を経て千島・樺太およびロシア北東部まで、先史時代から続いてきた各種の混交・交流があり、北海道に於いては北海道縄文・擦文文化とオホーツク・トビニタイ文化の双方の影響を受けて「アイヌ文化」が成立した。

オホーツク系の流入ルートや流入時期による個々の起源の差異だけでなく、北海道縄文文化も地域差が有り、いずれの分布域も重なりながら広範囲に点在していた。

故に、これらの混交の結果として生み出されたアイヌ文化も、決して一つでは無い。

その発祥から見ても、どこからがアイヌ文化で、どこまでがオホーツク文化で、どこが縄文文化か、という切り分けも不可能。

ましてや「征服」や「植民地」という話でも無く、成立の当初から日本の住民であり、ただ単に中央集権への帰属が遅かったと云うだけの事。

つまり「先住民族」という定義には箸にも棒にも引っ掛からず、その起源が混交の結果なのだから「先住」ですらない。

北海道アイヌだけでなく、樺太アイヌ、千島アイヌ、といった「いわゆるアイヌ」の括りばかりか、クリル系その他の北方の血を受け継いだ「北海道旧土人保護法」の名前が示す範囲に含まれる方々は、一括りに「アイヌ」と呼びえないからこその「北海道旧土人保護法」であり、そうした種々の違いを丸々無視して「一つのアイヌ」や「アイヌ民族」を自称すること自体が「自身のルーツの毀損」に他ならず、故に「自称アイヌ」「いわゆるアイヌ」と語られる次第である。

ただし、これを指して「アイヌ文化が存在しない」という話では無く、成立の当初から地域差・濃淡が有り、部族差が有り、言語差が有り、それぞれの文化・風習にも互いに差が有る。

そして、それぞれ毎に「受け継ぐ者」が存在してこその、自らのルーツを尊重した文化の継承である。

例えば、道路占有の許可を得て山車や神輿を牽いて練り歩く祭を続けるのも文化の継承の一つ。

「どんど焼き」なども消防の許可を得て行う祭事の一つ。

「祭事だから許可されるべき」では無く、あくまでも法律順守のもと、祭事として行いたい者が、行うための許可を正当に取得して実施して、それを次世代に受け継ぐものへと繋いでいく。

そして、その祭事を執り行う主体は、その文化を担い継承する事を望む人たち、すなわち有志であり、それに対して行政は「道路の使用許可」などを与えるけれども、特定の「有志」を特別扱いする事は無い。

正当な申請である限り、その有志が誰かによって片や許可、片や却下という「特別扱い」を行うのでは、それは行政による「不当な差別」である。

文化遺産の継承として行政が支援する浄瑠璃や、国技としての「相撲」などは有れども、あれも「参加する人」は血の条件などに依らず、場合によっては日本国民でなくても参加できる。

このように、支援しているのは「文化の継承」であって、「特別な人への助成」では無い。

また、支援対象は「文化の継承を続けていた」こその「伝統」であり「歴史的な価値」であり、そうした「伝統の文化」を継続するための支援である。

そして、既に喪われた文化を発掘するのは博物館や研究の世界であり、当時を手放した人たちが、今さらのように被害者であるかのように語って「保護」されるべきものでは無いし、ましてや新たに生み出すような「何の伝統さえ無いもの」に対して公的な助成を行う合理的な理由など在る筈も無い。

それは50年も昔の国会答弁でさえ、貧困や助成が必要な場合については従来の保護法を廃止し、今後は個別に生活保護の制度の中で行われるべき旨が記録されている事からも明らか。

故に、今回の「アイヌ新法」など、その根底からして間違っていると言わざるを得ず、「アイヌを先住民族とする決議」など破棄すべきである。ましてや、新しく制定する法律に「アイヌを日本の先住民族と明記する」など、決して許しては成らない。

第198回国会 予算委員会 第3号

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001819820190205003.htm

第198回国会 予算委員会 第3号
(平成31年2月5日(火曜日))


政府参考人
(内閣官房アイヌ総合政策室長) 橋本 元秀君


○丸山委員 でも、去年の質疑を受けて動いてくださったことには感謝申し上げます。しかし、同様の事例、本当に起きそうなので、しっかりこれは前に進めていただきたいというふうに思います。
 ちょっと話題が、実は、調査統計で同じ関連なんですが、いろいろなデータを見ていて、あれ、これはどういうことだろうと思ったものがありました。というのは、ことし、この通常国会にアイヌ関連の新法が出てくるという形になっていますが、これに関して少しお伺いしていきたいんです。
 このアイヌの方々に対する支援、こうしたものを法案として出される予定、今後出されるということなんですが、このもとになる、根拠元になったデータというのがすごく気になるんですよね。アイヌの方の生活実態調査という形で、これを内閣官房の方でやられているんですが、アイヌの方々の年収が総合的に低いのではないかというデータを示したりされているわけですね。
 そうした中で、そもそものデータの結果を受けていたのは、利害関係がある、要は、支援を受ける側であるアイヌ協会さんから紹介を受けて、いわゆる機縁法というんですけれども、紹介を受けてやるという、そもそもそのサンプルの確からしさというのに対する疑い。そもそも、サンプル数も百三十二、さらに無回答が二十一という、非常にサンプル数も少ない。統計上も非常に正確性が気になることもありますし、そもそも、この作業部会の構成員にアイヌ協会さんの名前があるんですけれども、アイヌ協会さん、実は不正会計問題でたびたび報道されております。
 協会の方々で、さらに補助金等を受けている方々であって、そういった意味で、この第三者性、ずっときょう言われています、そして、中立性があるか、この点、非常に疑わしいと言われても仕方がない、こうした可能性もあるというふうに思いますし、実は、この調査で、このサンプルの少ないという調査では、今回の調査は全数調査ではなくサンプル調査だが、限定的であったとしても十分に意味があるとかいうよくわからない一文がついているんですが、全く説得力がないというふうに思います。
 まず、そもそも、お伺いしたいんですが、先ほども申し上げましたが、幾つかアイヌ協会に対して不正の事件の報道があります。こうした不正のあったと言われているような団体が、国の機関であるアイヌ政策推進会議、又は、今後新たな国費の支給先になる可能性があるんですけれども、公益財団法人アイヌ民族文化財団、こうしたところに対して役職を兼ねていらっしゃるわけですね。こうしたものというのは、そもそも問題ないんでしょうか。そして、不正経理の問題というのは、もう政府としては問題ないと考えているからこうした状況になっているんですかね。第三者性とか客観性は保たれているんでしょうか。確認です。

○橋本政府参考人 ただいま委員から御指摘のございました不正経理問題、事前にお伺いしたところでは二〇一〇年に公表ということでございますので、北海道庁が二〇一〇年に公表しました事案について改めて調べてまいりました。
 それによりますと、北海道アイヌ協会の釧路支部において、領収書の改ざんであるとか水増し請求のあった事案だと承知しております。これに対しまして、釧路支部の役員が責任をとって退任するとともに、不正受給金は返戻されております。また、再発防止策の徹底に努めた、徹底を図ったというように承知しております。
 アイヌの方について、アイヌの人々の話を具体的に聞くという趣旨から、北海道アイヌ協会の理事長等に、内閣官房長官が座長を務めます政府のアイヌ政策推進会議、これに構成員として参加いただいているところでございますが、先ほど御指摘のような不正経理とかに関与したりとかそういったことはございません。御参加いただいているのは妥当なものだと承知しております。
 以上でございます。

○丸山委員 非常に、中立性、第三者性という形で今疑いのある統計の不正が出ていますが、こうしたところにも非常に政府の姿勢というのは怪しげなところがあるなと私は思っています。
 同時に、では、どういう方がアイヌの方かという認定の話とか、いろいろ確認していきたいところがあるんですけれども、そもそも、もう一回出していただくと、いろいろな予算がついていまして、実は、修学支援という形で奨学金がついているんですよ。これは地方の制度に対する国の補助金で入っているんですけれども、下の部分なんですが、この認定の部分がアイヌ協会さんがされている。先ほどの不正の会計があった協会さんですけれども、認定されていて、この手続に関して、一体全体、透明性や客観性があるかどうか、政府はどう考えているのか。
 そして、同時に聞きたいんですけれども、これは総理にお伺いしたいんですけれども、これは、選び方として、こうした受給に関する、若しくはアイヌの方だという認定という部分では、例えば憲法十四条では、門地による差別、生まれによる差別というのは禁止しています。逆に、他の国民から見たら、ほかの生活保護制度がある、例えば修学の支援の制度もある、逆差別になるんじゃないかという疑問も当然出てくると思うんですけれども、このあたりについてどのようにお答えになるのか。総理、よろしくお願いします。

○安倍内閣総理大臣 この詳細については政府参考人にお答えさせたいと思いますが、北海道庁が実施しているアイヌの方々の子弟に対する修学資金の貸付けに当たっては、アイヌであることの確認に当たり、北海道アイヌ協会理事長等の推薦書の提出を求めているところでありまして、同協会においては、戸籍等の客観的な資料をもとにしながらアイヌであることを確認した上で推薦書を作成しているものと承知をしております。
 北海道庁においては、当該推薦書を踏まえ、貸付けの可否については適切な認定を行っているものと承知をしております。
 修学資金の貸付けについては、アイヌであることの確認に加えて、各家庭の経済状況などを含め総合的に判断していることから、法のもとの平等を定めた憲法第十四条に反するものではないと認識をしております。

○丸山委員 いや、後半は、ほかの国民の皆さんから見たら、先ほども申し上げたように、奨学金制度もある、生活保護の制度だってある、後半は皆さん一緒なわけですよ。でも、前半の部分で、確認を協会でした、いろいろ手続を今おっしゃいました、戸籍の話もされました。戸籍がというところが非常に、今回私が申し上げている憲法十四条のところにひっかかっていく可能性がある、しっかり議論しなきゃいけないところだと思うんですけれども。
 前半について言っているのに、後半は国民の皆さん、一緒なわけですよ。しかし、前半で新たな制度があるというのは非常にしっかり確認していかなきゃいけないし、ただ、誤解がないように申し上げたいのは、しっかりアイヌの文化というのを守っていくというのは非常に大事な観点だと思います。
 ただ、そうした中に、今申し上げたような不正会計をしているような協会さんのチェックができているのかどうか。そして、今回新たに法案を出していくわけですから、しっかり、今申し上げた部分は、法案が出てき次第チェックしていきたいというふうに思います。
 時間がありませんので、ほかの部分に移ります(…後略…)