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アイヌ民族に対する質問主意書への答弁

2019年(平成31年)2月13日に、国民民主党の大西健介議員から提出された質問主意書「アイヌ民族に対する質問主意書」への「答弁」が、同年02月28日に公開されました。


平成三十一年二月二十二日受領
答弁第四二号
内閣衆質一九八第四二号
平成三十一年二月二十二日
内閣総理大臣安倍晋三
衆議院議長大島理森殿

衆議院議員大西健介君提出アイヌ民族に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員大西健介君提出アイヌ民族に関する質問に対する答弁書

一から三までについて
御指摘の「アイヌの血を引く人」の具体的に意味するところが明らかでないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。
なお、北海道が平成二十九年に実施した「北海道アイヌ生活実態調査」における「アイヌの人数」は、一万三千百十八人と報告されていると承知している。


アイヌの定義とは?

前項の通り、どこからが「アイヌ文化か?」という定義も、成立自体が長い時間を掛けて混交・交流した結果なのだから、それを「どこかの時点」で線引き出来るはずもなく、また地勢的にも混交の濃度がまちまちなのだから「境界で区分」も出来ず、それ故に「アイヌ民族とは何か?」を定義できないのも当然の事。

つまりは、そうした定義に拘って「何がアイヌか?あるいは非アイヌ(和人)か?」という区分で「人を分ける行為」には「差別」しかない。

しかしながら、7~800年ほど続いた「アイヌ文化」と呼ばれるものは在ったし、各地の部族も存在して、それぞれ毎にルーツも有るので、そうした存在や文化を「無かった事」には出来ない。

ただ、現時点では、それぞれの部族ごとの個別の文化を継承する方々も殆ど居らず、また新たな継承者を求めようにも「民族の血」に拘ったところで、そもそもの「民族」の定義が出来ないのだから、その「血」を求めるのが不適切だし、「血に依る差別」を生じるだけだろう。

つまりは、これからのアイヌ団体の在るべき姿としては「アイヌ文化に触れたい・学びたい」と願う人なら誰でも加入でき、基本的には「懲罰的退会処分」以外には「脱退させられる」事も無く、加入条件は「本人の意志」のみ。さらには「国籍も問わない」という、あくまでも「文化的・学問的・民俗的」な「希望者が集う市民団体」としての「アイヌ協会」に変革すべきなのだろう。

当然、団体に加入したからと言って「個々の生活」への助成など不要だし、特別な控除も扶助も資金援助も無く、また、そうした何らかの権利を求める「活動家」では無いのだから、あくまでも「市民参加」の団体に過ぎない。

ただ、アイヌ協会に加入する事で、協会主催や博物館や大学センターなどが協賛・共催するアイヌ関連のイベント等に「スタッフ」として優先的に参加できるなどの「参加者・ボランティア」の枠が得やすいとか、勉強会・体験会に参加してアイヌ文化を学ぶ機会を多く持てる、というメリットは有るべきだろう。
というか、そうした事(アイヌ文化を学び体験する)が目的の団体なのだから。

そして「誰でも広く参加できる」が基本なのだから、参加している方々の「権利」は日本人としての一市民に過ぎないし、「伝統の文化」もまた日本の中の伝統文化の一部なのだから、何処かに占有的に使用する権利が有る訳もなく、ましてや「文化の盗用」などと云う概念など百害あって一利なしで、むしろ積極的に広く伝えて使われるべきだろう。

そうして広くアイヌ文化が伝わり、アイヌ文化について触れる人が増え、日本の国土に住まう人々の歴史の一部としてアイヌの歴史も尊重される。

それは同時に、分母が拡がる事で拡散され、形を変えた新しいアイヌ文化が生まれる事も意味する。

日本の寿司が、世界各地に広がった結果、新たな「SUSHI」として様々な可能性を拡げたように。

しかしながら、そうしてなお、核となり、尊重され、受け継がれるモノが有る。それこそが国体であり国家・民族の象徴だろう。

いわば、英領・連合王国から独立した各国にあっても、今なお国旗の一部にユニオンジャックを飾り、エリザベス女王を刻んだ硬貨を使い続けて、英国王室を尊重するのと同じように。

アイヌは先住民族か?

この問題について、アイヌ文化の成立から考えてみると、その発生の経緯としては、南は沖縄・琉球から日本列島を経て千島・樺太およびロシア北東部まで、先史時代から続いてきた各種の混交・交流があり、北海道に於いては北海道縄文・擦文文化とオホーツク・トビニタイ文化の双方の影響を受けて「アイヌ文化」が成立した。

オホーツク系の流入ルートや流入時期による個々の起源の差異だけでなく、北海道縄文文化も地域差が有り、いずれの分布域も重なりながら広範囲に点在していた。

故に、これらの混交の結果として生み出されたアイヌ文化も、決して一つでは無い。

その発祥から見ても、どこからがアイヌ文化で、どこまでがオホーツク文化で、どこが縄文文化か、という切り分けも不可能。

ましてや「征服」や「植民地」という話でも無く、成立の当初から日本の住民であり、ただ単に中央集権への帰属が遅かったと云うだけの事。

つまり「先住民族」という定義には箸にも棒にも引っ掛からず、その起源が混交の結果なのだから「先住」ですらない。

北海道アイヌだけでなく、樺太アイヌ、千島アイヌ、といった「いわゆるアイヌ」の括りばかりか、クリル系その他の北方の血を受け継いだ「北海道旧土人保護法」の名前が示す範囲に含まれる方々は、一括りに「アイヌ」と呼びえないからこその「北海道旧土人保護法」であり、そうした種々の違いを丸々無視して「一つのアイヌ」や「アイヌ民族」を自称すること自体が「自身のルーツの毀損」に他ならず、故に「自称アイヌ」「いわゆるアイヌ」と語られる次第である。

ただし、これを指して「アイヌ文化が存在しない」という話では無く、成立の当初から地域差・濃淡が有り、部族差が有り、言語差が有り、それぞれの文化・風習にも互いに差が有る。

そして、それぞれ毎に「受け継ぐ者」が存在してこその、自らのルーツを尊重した文化の継承である。

例えば、道路占有の許可を得て山車や神輿を牽いて練り歩く祭を続けるのも文化の継承の一つ。

「どんど焼き」なども消防の許可を得て行う祭事の一つ。

「祭事だから許可されるべき」では無く、あくまでも法律順守のもと、祭事として行いたい者が、行うための許可を正当に取得して実施して、それを次世代に受け継ぐものへと繋いでいく。

そして、その祭事を執り行う主体は、その文化を担い継承する事を望む人たち、すなわち有志であり、それに対して行政は「道路の使用許可」などを与えるけれども、特定の「有志」を特別扱いする事は無い。

正当な申請である限り、その有志が誰かによって片や許可、片や却下という「特別扱い」を行うのでは、それは行政による「不当な差別」である。

文化遺産の継承として行政が支援する浄瑠璃や、国技としての「相撲」などは有れども、あれも「参加する人」は血の条件などに依らず、場合によっては日本国民でなくても参加できる。

このように、支援しているのは「文化の継承」であって、「特別な人への助成」では無い。

また、支援対象は「文化の継承を続けていた」こその「伝統」であり「歴史的な価値」であり、そうした「伝統の文化」を継続するための支援である。

そして、既に喪われた文化を発掘するのは博物館や研究の世界であり、当時を手放した人たちが、今さらのように被害者であるかのように語って「保護」されるべきものでは無いし、ましてや新たに生み出すような「何の伝統さえ無いもの」に対して公的な助成を行う合理的な理由など在る筈も無い。

それは50年も昔の国会答弁でさえ、貧困や助成が必要な場合については従来の保護法を廃止し、今後は個別に生活保護の制度の中で行われるべき旨が記録されている事からも明らか。

故に、今回の「アイヌ新法」など、その根底からして間違っていると言わざるを得ず、「アイヌを先住民族とする決議」など破棄すべきである。ましてや、新しく制定する法律に「アイヌを日本の先住民族と明記する」など、決して許しては成らない。

第198回国会 予算委員会 第3号

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001819820190205003.htm

第198回国会 予算委員会 第3号
(平成31年2月5日(火曜日))


政府参考人
(内閣官房アイヌ総合政策室長) 橋本 元秀君


○丸山委員 でも、去年の質疑を受けて動いてくださったことには感謝申し上げます。しかし、同様の事例、本当に起きそうなので、しっかりこれは前に進めていただきたいというふうに思います。
 ちょっと話題が、実は、調査統計で同じ関連なんですが、いろいろなデータを見ていて、あれ、これはどういうことだろうと思ったものがありました。というのは、ことし、この通常国会にアイヌ関連の新法が出てくるという形になっていますが、これに関して少しお伺いしていきたいんです。
 このアイヌの方々に対する支援、こうしたものを法案として出される予定、今後出されるということなんですが、このもとになる、根拠元になったデータというのがすごく気になるんですよね。アイヌの方の生活実態調査という形で、これを内閣官房の方でやられているんですが、アイヌの方々の年収が総合的に低いのではないかというデータを示したりされているわけですね。
 そうした中で、そもそものデータの結果を受けていたのは、利害関係がある、要は、支援を受ける側であるアイヌ協会さんから紹介を受けて、いわゆる機縁法というんですけれども、紹介を受けてやるという、そもそもそのサンプルの確からしさというのに対する疑い。そもそも、サンプル数も百三十二、さらに無回答が二十一という、非常にサンプル数も少ない。統計上も非常に正確性が気になることもありますし、そもそも、この作業部会の構成員にアイヌ協会さんの名前があるんですけれども、アイヌ協会さん、実は不正会計問題でたびたび報道されております。
 協会の方々で、さらに補助金等を受けている方々であって、そういった意味で、この第三者性、ずっときょう言われています、そして、中立性があるか、この点、非常に疑わしいと言われても仕方がない、こうした可能性もあるというふうに思いますし、実は、この調査で、このサンプルの少ないという調査では、今回の調査は全数調査ではなくサンプル調査だが、限定的であったとしても十分に意味があるとかいうよくわからない一文がついているんですが、全く説得力がないというふうに思います。
 まず、そもそも、お伺いしたいんですが、先ほども申し上げましたが、幾つかアイヌ協会に対して不正の事件の報道があります。こうした不正のあったと言われているような団体が、国の機関であるアイヌ政策推進会議、又は、今後新たな国費の支給先になる可能性があるんですけれども、公益財団法人アイヌ民族文化財団、こうしたところに対して役職を兼ねていらっしゃるわけですね。こうしたものというのは、そもそも問題ないんでしょうか。そして、不正経理の問題というのは、もう政府としては問題ないと考えているからこうした状況になっているんですかね。第三者性とか客観性は保たれているんでしょうか。確認です。

○橋本政府参考人 ただいま委員から御指摘のございました不正経理問題、事前にお伺いしたところでは二〇一〇年に公表ということでございますので、北海道庁が二〇一〇年に公表しました事案について改めて調べてまいりました。
 それによりますと、北海道アイヌ協会の釧路支部において、領収書の改ざんであるとか水増し請求のあった事案だと承知しております。これに対しまして、釧路支部の役員が責任をとって退任するとともに、不正受給金は返戻されております。また、再発防止策の徹底に努めた、徹底を図ったというように承知しております。
 アイヌの方について、アイヌの人々の話を具体的に聞くという趣旨から、北海道アイヌ協会の理事長等に、内閣官房長官が座長を務めます政府のアイヌ政策推進会議、これに構成員として参加いただいているところでございますが、先ほど御指摘のような不正経理とかに関与したりとかそういったことはございません。御参加いただいているのは妥当なものだと承知しております。
 以上でございます。

○丸山委員 非常に、中立性、第三者性という形で今疑いのある統計の不正が出ていますが、こうしたところにも非常に政府の姿勢というのは怪しげなところがあるなと私は思っています。
 同時に、では、どういう方がアイヌの方かという認定の話とか、いろいろ確認していきたいところがあるんですけれども、そもそも、もう一回出していただくと、いろいろな予算がついていまして、実は、修学支援という形で奨学金がついているんですよ。これは地方の制度に対する国の補助金で入っているんですけれども、下の部分なんですが、この認定の部分がアイヌ協会さんがされている。先ほどの不正の会計があった協会さんですけれども、認定されていて、この手続に関して、一体全体、透明性や客観性があるかどうか、政府はどう考えているのか。
 そして、同時に聞きたいんですけれども、これは総理にお伺いしたいんですけれども、これは、選び方として、こうした受給に関する、若しくはアイヌの方だという認定という部分では、例えば憲法十四条では、門地による差別、生まれによる差別というのは禁止しています。逆に、他の国民から見たら、ほかの生活保護制度がある、例えば修学の支援の制度もある、逆差別になるんじゃないかという疑問も当然出てくると思うんですけれども、このあたりについてどのようにお答えになるのか。総理、よろしくお願いします。

○安倍内閣総理大臣 この詳細については政府参考人にお答えさせたいと思いますが、北海道庁が実施しているアイヌの方々の子弟に対する修学資金の貸付けに当たっては、アイヌであることの確認に当たり、北海道アイヌ協会理事長等の推薦書の提出を求めているところでありまして、同協会においては、戸籍等の客観的な資料をもとにしながらアイヌであることを確認した上で推薦書を作成しているものと承知をしております。
 北海道庁においては、当該推薦書を踏まえ、貸付けの可否については適切な認定を行っているものと承知をしております。
 修学資金の貸付けについては、アイヌであることの確認に加えて、各家庭の経済状況などを含め総合的に判断していることから、法のもとの平等を定めた憲法第十四条に反するものではないと認識をしております。

○丸山委員 いや、後半は、ほかの国民の皆さんから見たら、先ほども申し上げたように、奨学金制度もある、生活保護の制度だってある、後半は皆さん一緒なわけですよ。でも、前半の部分で、確認を協会でした、いろいろ手続を今おっしゃいました、戸籍の話もされました。戸籍がというところが非常に、今回私が申し上げている憲法十四条のところにひっかかっていく可能性がある、しっかり議論しなきゃいけないところだと思うんですけれども。
 前半について言っているのに、後半は国民の皆さん、一緒なわけですよ。しかし、前半で新たな制度があるというのは非常にしっかり確認していかなきゃいけないし、ただ、誤解がないように申し上げたいのは、しっかりアイヌの文化というのを守っていくというのは非常に大事な観点だと思います。
 ただ、そうした中に、今申し上げたような不正会計をしているような協会さんのチェックができているのかどうか。そして、今回新たに法案を出していくわけですから、しっかり、今申し上げた部分は、法案が出てき次第チェックしていきたいというふうに思います。
 時間がありませんので、ほかの部分に移ります(…後略…)


個別の救済は完了していた

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/058/0020/05805090020021c.html
第058回国会 内閣委員会 第21号
昭和四十三年(1968年)五月九日(木曜日)


上記の国会 内閣委員会での答弁の一部を掲載します。


○受田委員 ~次は、今度の改正法案の内容に触れてまいりたいのでございますが、たいへんこまごまとした、すでに片づいているような問題を取り上げておられる。その一つに「北海道旧土人に対する就学資金および不良住宅の改良資金の支給に関する規定を削除すること。」とあるが、これは北海道旧土人保護法の一部改正ということにもなってきておるのでございまする~

○受田委員 ~ここに掲げてある整理の対象になっている旧土人の就学資金、不良住宅の改良資金、こういう規定を削除するということでございますが、この支給規定は昭和十一年ごろまでに適用したのであって、その後はもう現実に死文化されておると私は聞いておるのです。それにかわって生活保護法の制度による教育扶助、住宅扶助、あるいは不良環境の改善というようなところへ目標を変えておられるわけです~

○曾根田説明員 確かに御指摘のように法律そのものが非常に古い法律でして、相当多数のものがすでに戦前から死文化しておる。そのこと自体が問題だとおっしゃられるとそのとおりでございますけれども、特別といいますか、あまり外から問題にされることも実はなかったわけですから、今日まで至ったというのが実際でございます。


このように、昭和43年(1968年)という、今から50年も前に、既にアイヌへの個別の助成は不要となり、今後は生活保護法の制度に基づいて扶助や改善を行う旨が答弁されています。
また、国会では、アイヌ個別への助成(旧土人保護法の規定の一部)は、昭和十一年頃までの適用であって、既に死文化している、と説明されています。

では、その後のウタリ協会・アイヌ協会が認定し、推薦状を発行する事で受けられていた修学助成金や、札幌市はじめ道内各地で返済が滞っている住宅資金援助とは、一体何なのでしょう?

国会答弁では「既に終わった制度だから、廃止して今後は生活保護法の制度に従う」と在るにも関わらず、自治体レベルで実施していたのでしょうか?

『北海道の工芸家ら慎重審議求める』

アイヌ支援法案について意見交換した(左から)中山斉彬衆院議員、
砂澤氏、国際政治学者の藤井厳喜氏=東京・永田町の参院議員会館

[アイヌ支援法案]中山議員らと面会

 政府が15日に閣議決定した「アイヌ民族を支援する新法案」について、アイヌの血を引く北海道の工芸家、砂澤陣(じん)氏らが20日、希望の党の中山成彬衆議院議員ら同党議員と面会し、慎重な国会審議を求めた。
 同法案は、アイヌ民族の地位向上などを目指して「先住民族」と初めて明記し、アイヌ文化の維持・振興のための交付金制度創設を盛り込んだ。
 砂澤氏は法案について、「(アイヌは)明治期から昭和期には混交が進み、明確な定義ができないとされる」「アイヌも同じ日本人。特権を与えることで、逆差別になりかねない」などと問題点を語った。
 中山氏は「国が問題点を本当に理解しているのか疑問だ。国会で追及したい」とコメントした。

※砂澤氏補足
「明治~昭和の調査では混交が進みすぎて、明治~昭和に掛けての国や道の調査ではいわゆるアイヌとの区別はつかない状態」

【夕刊フジ】 2019年2月21日版
http://www-origin.zakzak.co.jp/

『アイヌ民族に関する質問主意書』

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/198042.htm

項目内容
国会回次198
国会区別常会
質問番号42
質問件名アイヌ民族に関する質問主意書
提出者名大西 健介君
会派名国民民主党・無所属クラブ
質問主意書提出年月日平成31年 2月13日
内閣転送年月日平成31年 2月18日
答弁延期通知受領年月日
答弁延期期限年月日
答弁書受領年月日
撤回年月日
撤回通知年月日
経過状況内閣転送

平成三十一年二月十三日提出
質問第四二号
アイヌ民族に関する質問主意書
提出者大西健介
与党の参議院議員が「(北海道)アイヌ協会の中に本当にアイヌの血を引く方は二割くらいしかいない」と発言したことが報じられているが、
一.アイヌの血を引く人と政府が認める人とは、どのような方をいうのか、その定義を明らかにされたい。
二.アイヌの血を引く人かどうかを政府はどのように判断するのか、その方法を明らかにされたい。
三.アイヌの血を引く人が現在、国内に何人いると政府は認識しているのか、その数字を明らかにされた
い。
右質問する。

平成23年第4回予算特別委員会第1分科会-12月06日-03号

北海道議会 会議録検索(http://www01.gikai.pref.hokkaido.jp/voices/)より、平成23年度第4回予算特別委員会第1分科会 12月06日-03号

うち、小野寺秀道議(元)の発言に関する部分を抽出したものを下記に示す。

[ 平成23年第4回予算特別委員会第1分科会-12月06日-03号 ]

平成23年第4回予算特別委員会第1分科会

平成23年 予算特別委員会
第4回                会議録 第3号
北海道議会定例会  第1分科会
─────────────────────────────────
平成23年12月6日(火曜日)

出席委員      交代委員
 委員長
  道下大樹君
 副委員長
  田中芳憲君

  荒当聖吾君
  向井昭彦君
  石塚正寛君
  佐々木俊雄君
  梶谷大志君
  八田信之君
  小野寺 秀君
  大崎誠子君     中司哲雄君
  長尾信秀君
  滝口信喜君
  柿木克弘君
  竹内英順君
  高橋文明君
出席委員外議員
  真下紀子君
─────────────────────────────────
出席説明員
   環境生活部長    山谷吉宏君
   環境生活部次長   中西猛雄君
   環境局長      石井博美君
   くらし安全局長   平戸 繁君
   アイヌ政策推進室長 和田秀樹君
   地球温暖化対策室長 柴田真年君
   エゾシカ対策室長  白野 暢君
   道民活動担当局長  伊藤敏彦君
   総務課長      濱口登代喜君
   アイヌ政策推進室  須貝行一君
   参事
   エゾシカ対策室参事 石島 力君
   同         吉田恵子君
   くらし安全推進課長 大川徳幸君
─────────────────────────────────
   総合政策部長    荒川裕生君
   総合政策部     竹林 孝君
   地域振興監
   総合政策部次長   瀬戸良之君
   知事室次長     山澄 克君
   政策審議局長    籔 紀洋君
   新幹線・交通企画  宮川秀明君
   局長
   兼新幹線対策室長
   地域づくり支援局長 神 姿子君
   地域主権局長    中川淳二君
   新千歳空港周辺対策
   担当局長      村木一行君
   総務課長      田尻忠三君
   国際課長      篠原正行君
   政策審議局参事   梶田敏博君
   計画推進局参事   平野陽彦君
   地域交通課長    松橋明生君
   新幹線・交通企画局 新出哲也君
   参事
   新幹線対策室参事  山口修二君
   地域主権局参事   伊藤徹彦君
─────────────────────────────────
   総務部長      立川 宏君
   危機管理監     寺山 朗君
   総務部次長     坂本和彦君
   兼大学法人運営支援
   室長
   行政改革局長    出町祐二君
   調査担当局長    佐藤嘉大君
   人事局長      山本広海君
   財政局長      岡崎一智君
   原子力安全対策   池田二郎君
   担当局長
   総務課長      林 信男君
   財産制度担当課長  浦島浩史君
   行政改革局参事   渡辺明彦君
   行政改革課長    朝倉浩司君
   人事課長      佐藤 敏君
   給与・服務担当課長 河治勝彦君
   学事課長      成田祥介君
   財政課長      今井太志君
   税務課長      福井宏行君
   原子力安全対策課長 橋本彰人君
   環境安全担当課長  勝木雅嗣君
─────────────────────────────────
議会事務局職員出席者
   議事課主幹     山科良明君
   議事課主査     富永 誠君
   同         椛澤忠伸君
   同         森田和寿君
   同         西本 司君
   同         村上弘倫君
   同         武田 淳君
   同         渡邊英徳君
─────────────────────────────────
  午前10時3分開議
◆(小野寺秀委員) それでは、通告に従いまして、アイヌ政策について質問をしてまいりますが、今まで、アイヌ協会等々の多くの問題が明るみになりましたが、今でもまだ多くの問題があるというふうに私は思っております。しかも、アイヌ協会自体が恐ろしい方向に進んでいるのではないかという感じがしております。
 そこで、以下、伺ってまいりますが、まず最初に、アイヌ文化振興財団についてお伺いをいたします。
 アイヌ文化振興財団の助成事業についてでございますけれども、私は、平成21年の決算特別委員会において、アイヌ協会日高支部が実施した、イタオマチプの伝統工芸複製助成事業にかかわって、支部に150万円のお金を払ったにもかかわらず、実際には、そのイタオマチプの現物がなくて、お金も返ってきていないという事態が明るみになって、私はそれを追及しましたが、それは実際に今どうなっているのか、お教えください。
○(道下大樹委員長) アイヌ政策推進室参事須貝行一君。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) 伝統工芸複製助成事業に対する財団の対応についてでありますが、この案件につきましては、平成21年に委員から御指摘がありましたように、平成16年度に日高支部において実施されました事業に関し、当該支部から、事業に着手できない旨の報告がありましたことから、平成17年3月、助成決定を取り消すとともに、既に支払った150万円の返還命令を行ったものであります。
 その後、再三にわたりまして、返還金の督促を行ってきましたが、返還されないことから、平成19年1月に、日高支部長を相手として訴訟を起こし、同年12月に、返還すべしと結審をしたところでございます。
 その後も履行されないことから、引き続き督促を行ってきましたが、資産や支部運営の状況等を理由に、返還が困難であるとの回答があり、平成17年の返還命令から本年まで、返還金の回収がされておりませんことから、本年7月、弁護士に強制執行について相談したところ、それも難しいとの結論でございました。
 そうしたことを踏まえながらも、財団では、履行を繰り返し求めてきたところでございまして、本年10月に、支部から、本件に対する改善検討の申し出がなされ、財団は、その結果を踏まえて対応することとしているところであります。
 今後、道といたしましては、日高支部の対応を把握し、改善検討がなされるよう、日高支部と協議させるなど、助言指導をしてまいる所存でございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 船をつくるということで150万円を払って、船がない、お金を返せと言って、結局、返ってこない、そういうような対応で本当にいいのでしょうか。
 もう一つお聞きしますけれども、ハワイの先住民族との国際文化交流助成事業において、74万円の返還をアイヌ協会のほうに求めているはずですけれども、この対応をお聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) 国際文化交流助成事業に関する財団の対応についてでございますが、この案件につきましても、平成21年に委員から御指摘がありましたように、平成16年度に日高支部で実施された事業に関し、平成17年10月、概算払い額と確定額との差額の74万円に対し、返還命令を行ったものであります。
 その後、再三にわたり、返還金の督促を行ってまいりましたが、返還されないことから、平成19年1月に、日高支部長を相手として訴訟を起こし、同年12月に、返還すべしと結審をしたところでございます。
 その後も履行されないことから、引き続き督促を行ってきましたが、本年まで、返還金の回収がなされませんことから、本年7月、弁護士と強制執行について相談をしましたが、それも難しいとの結論でありました。
 そうしたことも踏まえました、財団からの繰り返しの履行請求に対しまして、本年10月に、支部から改善検討の申し出がなされ、財団としては、その結果を踏まえ、対応することとしているところであります。
 道といたしましては、先ほど答弁いたしました伝統工芸複製助成事業の返還金の150万円と合わせまして、合計224万円に関する日高支部の対応を把握し、改善検討がなされるよう、日高支部と協議させるなど、財団に対し、助言指導をしてまいる所存でございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 本当にそれでいいのですかね。知事が、財団に対しても厳しく指導する、アイヌ協会に対しても厳しく指導すると言ったにもかかわらず、現物がなく、払ったお金を返してもらう努力をしているだけで、本当にいいのか。私は、もしかしたら、これは犯罪かもしれないというふうに思っておりますが、多くの質問がありますので、次に進みます。
 次に、アイヌ文化振興財団がつくっている副読本についてお伺いをしてまいります。
 アイヌ文化振興財団が、小学校4年生と中学校2年生の全道すべての生徒に副読本を配って、授業を行っているというようなお話をお聞きしておりますが、副読本に書かれている表記には、多くの問題があるというふうに私は思っています。
 例えば、「1869年に」──明治2年ですが、「1869年に日本政府は、この島を「北海道」と呼ぶように決め、アイヌの人たちにことわりなく、一方的に日本の一部にしました。」という表記があります。この記述では、明治2年当時、アイヌが北海道を支配していたと認めるような文章になっていて、これは誤解を招く表記ではないかというふうに思いますが、この点について、私は、歴史的事実と認識が食い違うというふうに考えておりますが、部の見解をお聞かせ願います。
○(道下大樹委員長) 環境生活部長山谷吉宏君。
◎(山谷環境生活部長) 副読本の記述内容に関連してでございますが、財団で発行しております小学生向け副読本には、委員が御指摘の点が記述されておりますが、北海道の帰属などにつきましては、平成4年1月の、参議院議員からの質問主意書に対する政府答弁書によりますと、「いわゆる北海道本島は、我が国の固有の領土であって、これが具体的にいつ我が国の領土となったかは明らかではないが、江戸時代末から明治時代初めにかけて、我が国とロシアとの間で国境の確定が行われた際、いわゆる北海道本島については全く問題とならず、これが我が国の領土であることは当然の前提であった。」「いわゆる北海道本島は我が国の固有の領土であり、アイヌの人々は本来日本国民である。」「いわゆる北海道本島において、アイヌの人々が古くから住んでいたということは、文献等からみて通説になっていると承知している。」と記されており、そうした歴史的経緯を踏まえて、今日に至っているものと理解をしております。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) では、この副読本に書いてある「アイヌの人たちにことわりなく、」という表記は必要ないのじゃないでしょうか。何で断りを入れなきゃいけないのだというふうに思いますし、そこら辺のことは、しっかりと精査をしていただきたいというふうに思います。
 副読本について質問を続けますが、北方領土の件に関係してお伺いしますけれども、北方領土に関するパンフレットの「北方領土問題を学ぼう」の中に、「北方四島(北方領土)は、いまだかつて一度も外国の領土となったことのない」との記載がありまして、北海道本島も同じであるというふうに私は思います。
 平成19年に、国連総会において、アイヌが先住民であるという決議をしておりますが、この採択に当たって、我が国の考え方をしっかりと説明した上で、国連の決議として採択をしたというふうに考えておりますが、アイヌ民族を我が国がどう考えているのかということを御説明願います。
◎(山谷環境生活部長) 北海道の帰属の考え方などについてでございますが、先ほど御答弁を申し上げましたとおり、平成4年1月の、参議院議員からの質問主意書に対する政府答弁書によりますと、「江戸時代末から明治時代初めにかけて、我が国とロシアとの間で国境の確定が行われた際、いわゆる北海道本島については全く問題とならず、これが我が国の領土であることは当然の前提であった。」とされているところでありまして、そうした歴史的経緯を踏まえて、今日に至っているものと理解をしております。
 また、先住民族の権利に関する国際連合宣言の採択に際しての政府の考え方についてでございますが、平成21年7月に取りまとめられた、国における、アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会の報告書によりますと、政府の考え方につきまして、我が国政府は、宣言に言う自決権については、宣言が明らかにしているように、先住民族に対して、居住している国から分離、独立する権利を付与するものではないこと、宣言に言う集団的権利については、宣言に記述された権利は個人が共有するものであり、各個人がその有する権利を、同じ権利を持つ他の個人とともに行使することができるとの趣旨であると考えること、さらに、宣言に記述された権利は、他者の権利を害するものであってはならず、財産権については、各国の国内法制による合理的な制約が課されるものであると考えていることなどを説明したとされているところであります。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) ということは、多分、国連宣言の言う先住民と、我々がアイヌを先住民だとする先住民の意味は違うというふうに私は思っておりますし、ともすれば、アイヌの方々が先に北海道に住んでいて、日本人がそれを奪ったというような間違えた認識が広がっていると感じておりますので、それは違うのだということを、北海道としてもしっかり広報していただきたいと思いますし、それが非常に重要なことだと思っております。
 次に、副読本の編集委員の選任についてお聞かせ願いたいというふうに思いますが、この副読本は、編集委員会をつくって作成しているわけですけれども、編集委員長がアイヌ協会のある支部の支部長さんで、あとの多くは小学校の先生というメンバーで、この副読本をつくっています。本当に、これで問題がないのか。専門家が余り入っていないのですが、その点についてお聞かせください。
○(道下大樹委員長) アイヌ政策推進室長和田秀樹君。
◎(和田アイヌ政策推進室長) 副読本の編集委員の選任に関連してでございますけれども、財団では、この副読本の作成に当たり、学校教育の場で活用する補助教材として、道内外の小学校、中学校に配付するため、アイヌ文化伝承活動実践者が3名、アイヌの歴史や文化に関する研究者が2名、学校でアイヌに関する授業等に取り組んだ経験のある教員が4名、計9名から成る編集委員会を設置し、数次にわたる検討を行い、それぞれの専門分野ごとに分担執筆をし、相互にチェックするなどして作成するなど、財団において所定の手続を経たものと承知しております。
 副読本が義務教育課程において活用されることを財団におきましては十二分に認識して作成されることは、当然のことでありますので、このような視点のもとで、選任手続が進められることが必要ではないかと考えているところでございます。
◆(小野寺秀委員) 財団がつくっているからといって、北海道がその内容を知らないということにはならないと思います。
 先ほど言ったように、北海道に関して、アイヌに断りもなく、一方的に日本にしたというような表記は、本当に問題があると思いますし、日本国民の概念についての表記も、日本国民は多民族である、その中には、アイヌ民族や和人、在日朝鮮・韓国人が含まれるというようなことを書いてありますが、民族の定義もなしに、そのようなことを書いていいのかというふうに、私は非常に疑念を持っておりますが、もし、こういうような間違えた表記があった場合には、道は、どのような責任をとる必要があると考えているのか、お聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) アイヌに関します小中学生向け副読本の発行にかかわる道の対応などについてでございますが、委員が御指摘の副読本につきまして、その編集等につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、財団で、それぞれ編集委員等を選任し、編集委員会を設置して作成してきているところではあります。
 しかしながら、その記述内容や表現などにつきましては、学校教育の場で利用されるという観点から、児童生徒の発達段階に即し、わかりやすく、より適切なものとなるよう、不断に努めていかなければならないものであり、そうした観点に立って、編集の進め方などについて、財団を所管する国と協議し、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 別の財団事業の問題に移りますけれども、公開講座についてお聞かせください。
 公開講座についてですけれども、実は、北朝鮮関連の団体の講演会に参加して、アイヌの人たちにチュチェ思想を広めている人を、財団の公開講座の講師として、事業を行っているという事実が明らかになりましたが、問題がないのか、お聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) 財団の公開講座についてでございますが、この事業は、東京にある、財団のアイヌ文化交流センターにおきまして、首都圏の人たちを対象に、アイヌの伝統や文化についての理解を促進するため、開催しているものでございます。
 財団におきましては、アイヌの生活、文化等のさまざまな分野におきまして、専門的な知識や経験を有する方をアイヌ文化活動アドバイザーとして委嘱して実施しており、その委嘱に当たりましては、財団が判断しているものと承知してございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) ちょっとお聞かせください。
 チュチェ思想について、アイヌ協会の関係者が札幌で講座を開いているというふうに思いますが、その詳しい内容をお聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) ただいまの御質問につきまして、正確な情報は得ておりませんけれども、ある資料によりますと、9月29日に札幌で開催されたというふうに承知してございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) その主催した団体の名前を教えてください。
◎(和田アイヌ政策推進室長) インターネットの資料によりますと、その資料の下のほうには、日本キムイルソン主義研究会という名称が記載をされてございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) この講座に、アイヌの関係者──前の副理事長の方も講師として参加し、アイヌの方々に、チュチェ思想はすばらしい、アイヌ民族にふさわしい考え方だというような講義をしたやに聞いておりますし、別のアイヌの会員の方も、同じ講師として登場したというふうに聞いております。私は、これは大問題だと考えておりますが、次の質問に行きます。
 財団役員の選任についてでございますが、アイヌ協会のある役員が、水増し請求をして、不適切な支給を受けていたことが、平成22年の9月に確認をされました。
 同年9月に、その方はアイヌ協会の役員を辞任されておりますが、その人物が、アイヌ文化振興法に基づき、アイヌ施策を全国的に展開しているアイヌ文化振興財団の理事はやめないで、ずっと居座っております。このようなことでよいのか、道の考えをお聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) 委員が御指摘の財団理事の在職についてでございますが、委員が御指摘のとおり、当該理事は、さまざまな議論の中で、特に重責であったアイヌ協会の役職について辞職したものと承知をしているところでございます。
 財団理事については、当時、国と相談すべきであったかとも思いますが、そうした点での配慮に欠けていたことは、まことに申しわけなく思っているところでございます。
 今後につきましては、国、財団と相談をしてまいりたいというふうに考えております。
◆(小野寺秀委員) もう一人の方の問題についてもお聞かせください。
 天皇陛下が北海道に来られましたが、その9月9日に、実は、財団の別の理事が、天皇制反対の集会を開催しております。私は、憲法で認めている天皇を批判することは許されることではない、このような団体の理事としてふさわしい行為ではないというふうに思います。
 しかし、この理事は、10月13日に、一身上の都合ということで辞任届を提出し、10月24日に開催された財団の評議員会で辞任が承認をされております。
 財団は、寄附行為に基づき登記をし、大臣に届け出を行う必要がありますが、これをしっかりやっていたのか、お伺いします。
 また、道義的・社会的責任が生じているというふうに思いますが、財団は、これを一身上の都合というあいまいな形で整理していますが、それでよいとお考えなのか、お聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) 財団理事の活動に関連してでございますが、委員が御指摘のような事柄につきましては、先般、委員から御指摘を受けるまで、私どもとしては承知をしていなかったところであります。
 当該理事は、既に辞任を申し出て、評議員会で承認されているところでありますが、公益法人の理事は、その目的である公益を実現するために職務を担っているところであり、その選任に当たっては、そうしたことも踏まえて選任されるべきであると理解をしているところでございます。
 なお、財団の寄附行為には、理事に異動があったときは、2週間以内に登記し、遅滞なく主務大臣に届け出なければならないこととされておりますが、職務がふくそうしていたことなどから、手続がおくれ、12月1日に届け出を行ったと聞いております。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 多分、私が指摘をしてから、慌ててやめたというふうに考えておりますが、実は、平成21年の2定の予算特別委員会において、知事は、「財団における事業の運営全般について、改めてしっかりと指導していかなければならないと考えている」というふうに、私の質問に答弁をしておりますが、その後、道として、きちんとした指示や対応を行ったのでしょうか。それで、このような結果であれば、本当に残念としか言いようがありませんが、財団の現状をどのようにお考えになるのか、お聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) 財団事業に関しましての現状、それからまた、私ども道としての指導についてでございますが、アイヌ文化振興財団の助成事業につきましては、これまで、委員から御指摘をいただいた点について、道として、財団に対し、再発防止に向けた改善策の策定を求め、その実施について指導を行い、財団としても改善策を策定し、それに基づき、財団役員が、事業実施中の現地に赴き、確認調査を実施し、また、助成事業の申請及び実績報告書の審査を厳格に行うなど、不適切事案の再発防止に取り組んでいるところであります。
 道といたしましても、こうした現地に実際に赴き、調査をするとともに、財団には、その報告を求めているところであります。
 いずれにいたしましても、道としては、財団の事業が適切に行われるよう、今後とも、的確に指導助言をしてまいる所存でございます。
◆(小野寺秀委員) 的確に指導助言をしていないのですよ。的確に指導助言をしていないから、こんなへんてこりんな役員が2人も登場するわけです。しかも、それを知らなかったということですから、道は、本当に真剣に、財団を適正な団体にしたいというふうに思っているのか、私は非常に疑念を持っております。
 財団に関する質問はこの程度にいたしまして、次に、アイヌ施策の中の、アイヌ住宅改良事業についてお聞かせください。
 アイヌ住宅改良事業についてでございますけれども、この事業は、アイヌの人たちの住居を快適にするための資金ということで、市町村を通してお金を貸すという事業になっております。
 まず、この事業の貸付件数と貸付額が幾らなのかをお教えください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ住宅改良事業の貸し付け状況等についてでございますが、本事業は、市町村が条例等を制定いたしまして、アイヌの人たちに、住宅の新築や改修、または住宅の用に供する土地の取得のための資金を貸し付けることに対しまして、国の補助を受け、道がこの事業費の一部を市町村に補助することによりまして、アイヌの人たちの居住地域の整備改善を促進することを目的といたしまして、昭和48年度から実施しているところでございます。
 平成22年度末現在、市町村が貸し付けを行いました、それまでの貸付件数は、51市町村におきまして3184件、その貸付総額につきましては約145億円となっているところでございます。
◆(小野寺秀委員) そのうち、免除した件数とその額、さらに、今までの滞納額は幾らなのか、お教えください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ住宅改良事業の免除件数等についてでございますが、これまで、全道の市町村において免除をした件数は35件であり、免除した総額は約1億400万円となっているところでございます。
 また、平成22年度末における滞納件数は、全道の関係市町村の総計で761件であり、滞納額は約16億5400万円となっているところでございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 10分の1以上が返ってきていないということでございますけれども、市町村事業であっても、これだけの滞納額になっているということについては、道としてもしっかりと指導すべきであるというふうに考えますが、今後の対応をお聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ住宅改良事業制度についてでございますが、道としましては、これまでも、市町村に対し、国及び道の要綱、各市町村の条例等の関係規定の遵守、貸付決定時の審査、制度趣旨の徹底、適切な償還計画の作成、滞納対策の強化、悪質滞納者に対する法的措置の検討につきまして指導を行うとともに、アイヌ協会に対し、償還状況が悪化している事実を踏まえ、住宅資金の償還金滞納に対する是正について申し入れを行い、当協会では、総会等におきまして、滞納状況の是正を各会員に対し指導しており、引き続き、市町村等に対し、指導を行っていく所存でございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 今まで、761件の滞納があるということでございますが、その中に、悪質滞納者というのは1人もいなかったのか、法的な措置の検討をされた方がいたのか、いないのか、それだけ教えてください。
 それじゃ、いいです。ただ、こういうことも確認しておかないで、本当に、市町村にしっかりとした指導ができるのかというふうに私は疑念を持ちます。
 もう一点お聞きしたいのですが、この制度に関して、平成18年度に北海道アイヌ生活実態調査を行っておりますが、この結果についてお聞かせを願いたい。
 また、道民の持ち家比率とアイヌの方々の持ち家比率がどのようになっているのか、さらに、この制度を使った方が過去5年間でどれだけいたのか、お教えください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ住宅改良事業制度についてでございますが、平成18年度に実施した北海道アイヌ生活実態調査によりますと、住宅の持ち家率は66.8%であり、一般の持ち家の全道平均の56.9%に対しまして、9.9ポイント上回っているところでございます。
 この制度は、昔から地域に居住しますアイヌの人たちの住宅環境の改善を促進することを目的とするものであり、この5年では、十数件の利用にとどまっているところであります。
 道におきましては、今後、この制度のあり方について、国及び市町村の考え方をお聞きしてまいりたいというふうに考えてございます。
◆(小野寺秀委員) 道民の平均よりも、アイヌの方々は9.9ポイントも持ち家率が高いということについては、本当に、この制度は必要あるのかなというふうに私は思っておりますし、実際に、これだけお金を返さない方がいるのだとしたら、これは市町村の負担にもなりますし、この制度の根本的なあり方を見直す時期に来たと私は思っておりますので、対応をしていただきたいというふうに思います。
 次に、アイヌ協会の返還金についてお伺いをしていきます。
 これまでの一連の不適切事案に関して、アイヌ協会は、平成23年2月に、国や道、アイヌ文化振興財団に対して、すべての返還が完了したというふうに発表をしております。
 その中で、本来、関係支部等が支払うべきものについて、アイヌ協会本部が立てかえて、お金を支払っているという状況がありますが、この立てかえ分の返還が今どのようになっているのか、お伺いをします。
 また、アイヌ協会日高支部が平成16年に実施した国際文化交流事業に関し、旅行代理店から、航空代金の支払い訴訟が提起され、その代金の立てかえ払いをなぜ協会本部が行っていたのか、お伺いします。なぜ、協会本部が行う必要があったのか、また、その原資は何だったのか、お聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ協会の返還金への対応などについてでございますが、初めに、アイヌ協会の立てかえ金の返還についてであります。
 立てかえ金の返還に当たりましては、本来、不適切な執行処理を行った関係支部等に負担させるべきであるものの、早急に返還すべきとの判断で、立てかえを行ったところであります。
 本部が立てかえをいたしましたものは、5支部、3団体、個人事業者の合計9件であり、その総額は約1409万円となっており、平成23年11月末現在の、立てかえ金の返還、請求などの状況につきましては、本部に完済したものが、1支部、約10万円、本部に分割払いを行っているものが、1団体及び個人事業者、約524万円、支部が前釧路支部長に請求中のものが、3支部、約323万円、団体において取り扱いを検討中のものが、1団体、約54万円、支部、団体が求償方法等を検討中のものが、1支部及び1団体、約498万円となっており、また、返還が完了または一部返還がなされたものは、本部に完済したものが、1支部、約10万円、及び、本部に分割払いを行っているものが、1団体及び個人事業者、約524万円の一部の約71万円の、合計、1支部、1団体、個人事業者で約81万円となっているところであります。
 道としては、あくまでも立てかえ金としての処理であるものの、資産の保有目的を勘案すれば、早急に回収が図られるべきものと考えているところでございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 日高支部に関する質問の答弁もお願いします。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) 日高支部に対します、旅行会社からの航空代金の支払い訴訟の関係でございます。
 日高支部に対する、旅行代金の支払い訴訟につきましては、平成16年度に日高支部が実施した国際文化交流事業に係る航空券代の約225万円が未払いであったために、平成16年9月に、旅行会社より、本部である社団法人アイヌ協会及び日高支部長が提訴され、その後、裁判所から和解案が提示されたことから、協会本部が未払い請求額の全額を支払うことで、平成17年2月に、原告である旅行会社との和解が成立したところであります。
 同年3月、理事会で立てかえ決定をし、本部が立てかえた未払い請求額の全額は、当時の理事長以下、24名の全理事が一定額を自己負担したものと聞いているところでございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 答弁は長いのですけれども、例えば、不届き者がいるとして、その者からしっかりとお金を取らないと、多くの会員が迷惑をこうむるということなのですよ。毅然とした対応がどこにも見られない。実際に、いろいろな事案を見ても、なぜか理事が立てかえたりしていて、何でこんなことになっているのか、私はよくわかりません。
 もしかしたら、多くの問題で、訴えられるような事案もたくさんあるはずなのですけれども、それも一件もないということは、本当に社団法人の対応としてふさわしいのか、多くの税金がつぎ込まれている団体としてふさわしい対応なのか、私は本当に疑問を持っております。
 次に、アイヌ協会からの報告についてでございますが、一連の不適切事案に係る返還金に関する、アイヌ協会や関係支部等の返還等に対する調査の結果について、アイヌ協会から道に報告があったというふうに聞いておりますが、どのような報告だったのか、改めて教えてください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ協会からの報告についてでございますが、アイヌ協会としては、一連の不適切事案で返還対象となった事業のほとんどが支部において執行された事業であり、支部に対して、その返還金の負担を求めたところですが、返還に当たっては、本来、不適切な執行を行った者から徴収すべきものであるとしたところでございます。
 このため、アイヌ協会は、返還対象となった関係支部に対し、不適切な事業執行の要因はどこにあったのかを解明し、再発防止に努めるとともに、返還金はだれが負担すべきなのか、支部で調査をし、その結果に基づいて、本来負担すべき者に求償すべきとして、平成22年3月、その旨、指示をされたと承知しているところでございます。
 その結果につきましては、講師謝金の過払いなどの不適切事例、及び、なぜそのようなことが起こったのか、その要因、また、その返還金額や、支部の支払いか本部の立てかえかの返還者、さらには、調査結果や負担理由に基づいた負担者の特定、納付済みか請求中かなどの状況を本部が支部に対し確認を行い、確定したものについて、理事会の決定などを経て、平成23年5月に、アイヌ協会から報告を受けたところでございます。
 道としては、この調査結果に基づきまして、協会本部と支部が連携を強めるなどして、この返還の取り組みを着実に進め、早期に協会運営の健全化が図られるよう、指導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) これは、皆さんがはっきり指導していないから、こんな事態がずっと続いているということを本当に認識していただきたいと思いますが、時間の関係上、次の質問に行きます。
 次は、アイヌ協会支部の問題ですけれども、実は、アイヌ協会の中で最も大きい札幌支部の平成23年度の総会資料の議案に、自治権の要求というような項目がありまして、自治憲法制定、議会開設、国歌・国旗をつくる等々の話し合いがなされているというふうに書いてありますが、実際にこれが本当だとしたら、大問題だというふうに思いますが、道として、この事実を確認したのか、また、どう思っているのか、お聞かせください。
◎(和田アイヌ政策推進室長) アイヌ協会札幌支部の事業に関連してでございますが、私どもとしましても、札幌支部の総会資料で、平成20年度から、そのような記載があるということは確認をしているところでございます。
 北海道アイヌ協会は、アイヌ民族の尊厳を確立するため、その社会的地位の向上と、文化の保存伝承及び発展を図ることを目的に設立されました法人で、その会員は、市町村を単位とした支部と規定されているところでございます。
 委員が御指摘の点につきましては、アイヌ協会は、今後のアイヌ政策の全国展開を進める上で、極めて重要な役割を担っておりまして、その会員である支部においても、その役割は当然のことと考えておりまして、社会通念に照らし、協会において適切に判断されるべきものと考えているところでございます。
◆(小野寺秀委員) アイヌ協会の一支部が、自治権の要求ということで、自分たちの憲法をつくるだとか、議会をつくるだとか、国旗・国歌をつくるというような議論をしていることに関して、道としては、社会通念に照らして、その役割は当然のことと考えているのか、いないのか、そこを聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) これまでのアイヌに関するさまざまな国際的な取り決め等、議論はさまざまあろうかというふうに存じます。
 しかしながら、公的な役割を担い、アイヌ政策を推進する上で重要な役割を担っているアイヌ協会としては、支部におきましても、そうした役割を担っているという認識のもとに、社会通念に照らし、適切に判断されるべきものというふうに考えております。
◆(小野寺秀委員) 道は、何をやっても関係ないのだ、協会が考えて、社会通念上のことをやってくれればいいみたいな話で、本当に指導できるのですか。何を指導するのかということを本当に皆さんに聞きたいところでございますが、次の質問に行きます。
 知事は、平成21年の決算特別委員会で、今の私の意見に関連しますけれども、アイヌ協会の法人運営のあり方や定款の見直しなど、抜本的な指導をしていくというふうに答えています。今の皆さんの答弁では、そのような意気込みがありませんでしたが、現在、どのように進められているのか、改めて教えてください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ協会の体制強化についてでありますが、アイヌ協会におきましては、一連の不適切事案の要因等を踏まえまして、平成22年3月に、アイヌ文化振興財団助成事業等の実施に係る改善策を取りまとめるとともに、外部有識者や、道の関係部の課長職もオブザーバーとして参画し、協会組織のあり方等検討委員会を設置いたしまして、平成23年5月には、報告書として取りまとめたところでございます。
 それらの主なものといたしましては、役員を地区監理役員とした指導体制の強化でありますとか、公認会計士による支部への指導、協会の組織運営の透明化などを行い、組織体制や内部統制などの改善に取り組んでいるものと承知しているところでございます。
 また、協会におきましては、新法人への移行の課題といたしまして、支部のあり方の見直しや、理事任期、役員数、会計処理などについて改善を行うこととしておりますが、なお、道として、さまざまな課題があると認識しており、厳しく指導助言を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 以上であります。
◆(小野寺秀委員) 何が、どう厳しく指導しているのでしょうか。
 あり方等検討委員会というのができた経緯は、アイヌ協会において多くの不正や多くの問題があって、どうにかこれを立て直さなければならないということで、できた委員会でございまして、明らかに、多くの問題があるというのが前提になっているわけです。
 その前提の中で、例えば、札幌支部で、このようなおかしな会議がなされている、さらに、先ほど財団の話もしましたけれども、財団においても、おかしな動きがあるということでしたら、道としては、財団や協会に対してしっかり指導していく責任があると思いますし、それが納税者に対してもしっかりと説明責任を果たすという役割を道が担えることだというふうに思っております。
 今まで、いろいろ多くの質問をしてきました。全般にわたって知事に聞かなければいけないというふうに私は考えておりますが、部長にお聞かせを願いたいのです。
 実は、まだまだ多くの問題があるというふうに私は思っておりますし、実際に、私のところに、ある問題があるのだということで情報提供がありました。今、それを精査しておりますが、多分、間違いなく、問題があるのだろうというふうに考えておりますが、今後、アイヌ協会に問題があった場合──あり方等検討委員会をして、道が厳しく指導しているという中で、さらに多くの問題が発生した場合には、これはもうアイヌ協会の存続の問題につながるというふうに考えておりますが、道として、今後、アイヌ協会に対してどう対峙していくのか、これからの取り組みについてお聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) アイヌ協会に対する対応についてでございますが、アイヌ協会では、これまで、種々御批判を賜り、不適切事案の再発防止の改善策として、役員等による指導や監査の徹底、倫理規定の設置など、さまざまな事項について取り組むとともに、組織運営のあり方等検討委員会を設置して、今後、適正な助成事業の執行体制の確保や、新しい法人制度への移行に向けた組織運営の改善策について取りまとめ、現在、信頼回復に向け、鋭意努力しているものと承知をしておりますが、今後とも、協会の運営や事業の遂行について、批判を受けることのないよう、道としては、引き続き、協会から改善策の実施状況などについて随時報告を求め、取り組みが適切かつ確実に実施されるよう、指導監督を徹底してまいる考えであります。
 なお、今後、支部などにおいて不適切な事案が発生した場合には、協会本部はもとより、支部運営のあり方や定款の見直しを初め、法人運営体制の抜本的な改革について、関係部と協議し、厳格に対応してまいる考えであります。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) この一連の流れは、例えば、アイヌ文化振興財団においても、いろいろな問題があって、道は、指導すると言っていたにもかかわらず、大した指導もしていず、役員についても、とんでもないことを行っていた。
 アイヌ協会に関しても、アイヌ協会の支部で、非常に不適切な会議を開いていたことや、アイヌの政策についても、まだまだ多くの問題があるということを皆様に対して指摘させていただきました。
 一連の問題は、今後、アイヌ政策をどうしていくのかという、知事の思いをしっかりと聞かなければ、議論できないということで、この点について知事総括質疑に上げたいと思いますので、委員長のお取り計らいのほどをよろしくお願い申し上げます。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございます。
◆(小野寺秀委員) それでは、朝鮮初中高級学校について、通告に従いまして、質問をします。
 いわゆる朝鮮学校ですけれども、在日朝鮮人の子弟等を対象に民族教育を行っており、拉致問題に関しても、日本当局は拉致問題を極大化しているなどと、反日的とも言えるような教育が行われてきております。このような学校に対して公的な税金を投入することは大きな疑問があるという声も多々ありますが、そもそも、助成の趣旨はどのようなものなのか、お伺いをします。
◆(小野寺秀委員) 私としましては、道内に居住する外国人のお子さんたちよりも、海外にいる道民の子どもたちに、学力向上のためのお金を上げたいという気持ちはございますが、本当に、道内のインターナショナルスクールと同列に扱っていいのかという疑問があるのですけれども、北朝鮮による拉致が明らかになり、昨年11月にも韓国への砲撃事件が起きるなどして、北朝鮮に対する国際・国内的な世論は、さらに厳しいものになっております。
 朝鮮学校への助成についても、各自治体で凍結するなどの動きがあると承知をしておりますが、今年度の補助金について、朝鮮学校のある都道府県ではどのような状況になっているのか、お伺いします。
◆(小野寺秀委員) それぞれの自治体で、いろいろ検討しているということでございますけれども、先日、学事課の職員が、拉致問題に係る学校の授業を直接確認したというふうに聞いておりますが、補助金を目的に、そのときだけ都合のいい授業をしたということも想像できるようなできないような感じ──その疑念はぬぐえないわけでございますが、具体的には、拉致問題について、どのような授業が行われていたのかをお伺いします。
◆(小野寺秀委員) 教科書においては、問題のある記述が削除されたとのことでありますけれども、拉致問題そのものの記述がなくなったということが問題ではないかと思っております。
 日本の教科書や副教材を用いて補足が行われたということでございますが、肝心の教科書に記述がないのでは、将来を担う子どもたちに本気で正しい知識を身につけさせようという意識がないのではないかというような気がしますが、見解をお伺いします。
◆(小野寺秀委員) ちょっと確認したいのですけれども、道内には拉致被害者の方がいるということで確認をしてよろしいでしょうか。
◆(小野寺秀委員) 認定された方が1名いるということで、1名は必ずいるということでございます。
 そこでお伺いしたいのですけれども、学校や教室等々に、金日成、金正日の肖像画がかかっていたか、いなかったか、そこを教えてください。
◆(小野寺秀委員) 実際に、道内には拉致被害者の方がいる、しかも、勉強している教室に、金日成、金正日の2人の肖像画があるということは、その方たちの感情を考えたときに、本当にそこにお金を拠出していいのだろうかというふうに、私は素直に思います。
 実際に、拉致被害者の感情を逆なでするような肖像画が教室に掲げられている、そういうところに補助金を支出するのはふさわしいのかということをもう一度議論しなければならないと私は思っております。
 また、例えば、先日、この朝鮮学校の50周年式典があり、そこに、アイヌ協会の前副理事長御夫婦が御出席をされていたということでございます。
 この人は、北朝鮮を訪問し、いわゆる主体思想──チュチェ思想を学んできたとのことであり、ことし9月にも、アイヌの方々を対象にセミナーを行い、これからはアイヌも主体思想でいくべきだという旨の発言をしている、そのような人が朝鮮学校の式典に参加をしていたということは、かなり、北朝鮮の思想と、この学校の思想がねじ曲げられているのではないかというふうに考えているところでございます。このようなこと一つをとってみても、北朝鮮と深くつながっている学校なのではないか。
 北朝鮮は、拉致の事実は認めたものの、その後、誠意のある態度をとっているとは全く思えず、このような問題は、いまだ未解決で、何も解決をしておりません。
 拉致被害者の家族や国民の感情を考えると、このような国と密接につながっているのではないかというような疑念のある学校に対して、今までどおり淡々と補助金を支出して果たしていいのか。
 一部の自治体では、管理運営費に対してではなく、学校が行う国際交流事業を対象に補助金を支出しているところもあります。
 また、道内のもう一つの外国人学校である北海道インターナショナルスクールと比較した場合、補助金の積算方法は同様でありますが、1人当たりの単価で見ると、朝鮮学校のほうが非常に高くなっております。
 先日、我が会派の議員の代表格質問への答弁では、道からの申し入れの趣旨に沿った対応がなされているとのことでありましたが、財政面などでの疑問も報道されており、道では、一度立ちどまって、補助金の扱いについて慎重に検討すべきであるというふうに考えますが、今年度、どのように対応するおつもりなのか、改めてお伺いします。
◆(小野寺秀委員) 私の質問はこれで終わりますけれども、この朝鮮学校の補助金の扱いに関しては、横路さんが知事だったときに、国際交流ということで導入されたと私は記憶しておりますけれども、その点から見ても、知事の考え方によるところが非常に大きいと思いますので、この点は、知事に直接、考えをお聞きしたいということで、知事総括質疑に上げたいと思います。委員長のお取り計らいをよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

アイヌ医療政策史の研究

http://jsmh.umin.jp/journal/15-2/15-2.pdf#page=53
日本医史学雑誌
第15巻 第2号
昭和44年8月31日発行

11 アイヌ医療政策史の研究放射(誌上発表)
松木明知 ※https://goo.gl/nAURp2
論文DB ※https://goo.gl/FB2P7H

 往時アイヌ民族は本州にも広く分布居住していたが、日本民族が次第にその勢力を拡大伸展するにつれて徐々に北方に圧迫され、現在ではわずか約一万五千人程が北海道の各地に存在しているにすぎない。

 このようなアイヌ民族衰亡の一原因として彼らの衛生状態が極めて悪かったことが指摘される。アイヌに対する政策について政治経済的立場から考察した研究は多いが、医史学的見地から論考した報告は少ない。
 本報告ではアイヌに対する医療政策の史的変遷について次のような時代区分で考察を加えた。

『旧藩時代以前の医療』
 古来アイヌは医師がおらず、他の未開の民族に見られる如くポタラグル、エポタラグル、ヘシュリウタレなど一種のシャーマンとの言うべき人がその任に当たっていた。実際の医療面についての詳細は知るところがない。

『旧藩時代の医療政策』
 寛政年度以前は松前藩はわずなに松前地方を支配しているにすぎなかったため、アイヌに対する医療政策の上からは見るべきものがなく、安政十一年東蝦夷地が幕府領となり約十ヵ所の会所が設けられたが、町医者を雇って和人、アイヌ人の診療に従事せしめた。いわゆる御雇医師で寛政年度に六人、文化年度に十一人、文政年度には十三人と記録されている。

 この頃各場所の運上屋の支配下にあるアイヌは疾病に罹患した際、申し出て医師の治療を受けるよう例年の「オムシャ」の礼で諭告されている。

 この期の蝦夷地における医療政策史上特筆しなければならないのは安政年度の桑田立斎らによるアイヌ強制種痘であり、また億蝦夷地に越冬して各藩戍兵の間に多発した壊血病(俗にはれ病い)の問題であった。壊血病の発生は文化元年から始まったもので幕府も大槻玄沢、多紀元簡などにその対策を命じたほどであった。

『開拓時代の医療政策(明治二年~十五年)』
 明治二年七月蝦夷地が北海道と改称され、開拓使が新たに設けられた。それまでの場所請負制度が廃止されアイヌに対する政策も改革が加えられた。とくに衛生関係のものでは官位に依る無料施療、堕胎禁止、老人幼児に冬季生活資料の給付、困窮者の出生児に対する玄米の給付などがその主なものであった。

 札幌その他二十三ヵ所に病院が設置され、和人アイヌ人にも診療が行われた。

『三県時代の医療政策(明治十五~十八年)』
 明治十五年一月開拓使が廃止され、札幌、函館、根室の三県に分割統治されることになった。松方蔵相のデフレ政策の影響もあったが、土人撫育費は急激に増額され、大規模な勧農政策がとられた。

 札幌県では「旧土人救済方法(一~十八条)」、根室県では「根室県内旧土人救済方法(一~二七条)」を制定しアイヌ救済を企てたが、函館県はアイヌが少なかったためこのような規定は設けなかった。

『道庁時代の医療政策(明治十九年以降)』
 三県制度が廃止され、道庁が札幌に設けられた。それまでの政策によってアイヌは狩猟漁撈生活から農耕生活へと大きな転換を余儀なくされたが、このため広大な耕地を必要とし、「北海道土地払下げ規定」や「地券発行条例」でアイヌの土地を確保しようとしたが、アイヌの怠慢な生活態度のため成功せず、このような実情を背景に明治二十六年からアイヌ保護問題が国会で論議され、遂に明治三十二年に「北海道旧土人保護法」が法律第二七号として成立公布された。

 しかし、これのみでは実際のアイヌ救済に不備であるので別に「旧土人救済規定」を発令した。

 これらの規定によりアイヌは施療を受ける得点を与えられたが、実際に受診する病院が少なかったので、アイヌの多く居住する平取、静内、白老、浦賀に土人病院を大正九年から大正十一年にかけて設置した。いずれも約五〇坪の建物で医員一~二名を配置し入院も可能であった。これでもまだ病院が不足であったので大正十二年北海道庁は一〇〇余ヵ所の「土人救済」を設置しこれに対処した。

 一方、民間においては関場不二彦はジョン・バチェラーと協力して「アイヌ病院」を札幌に設け、明治二十五年から二十八年までの四年間に四〇〇余名のアイヌ患者を治療した。

 以上のような状態が大正末年まで続いた。アイヌの人口は旧藩時代から多少能増減は見られたがほぼ一万五千人を数え、彼らに対する撫育費についてみると、開拓使時代(明治一~十四年)の平均年額は七二四円、三県時代は五一七三円、道庁時代の「旧土人保護法」成立前(明治十九年~三十二年)は平均年額一〇八六円、成立後(明治三十三年~四十年)は七二四五円となっている。すなわち三県時代アイヌに対して勧農作など大規模な政策が企てられたが、統計の受けからもこれが窺われる。

 明治五年の歳出総額一九三万円が明治四十年には二九五万円と約一・八倍になったが、土人撫育費は明治五年の五四五円から明治四十年の一〇三八四円と約二〇倍になっており、このことはアイヌ撫育費をこのように増額しなければならないほど、彼等の生活状態が極度に悪化していったことを示すものであろう。

『総括』
 旧藩時代は豊富な海産資源その他の調達に必要な労働力の供給という面からアイヌ民族の人口減少の一要因であった疫病の予防策がとられた。明治維新後は開拓使などの施策により、それまでの漁撈狩猟生活から農耕生活へと大きな転換を余儀なくされ「旧土人保護法」その他の法律によって種々撫育授産に努力したが、結果的には滅び行く少数民族への慈悲的消極的施策に終止したとも言える。しかし一面に風俗習慣など日本人とは全く異なるアイヌ民族自身にもその責任の一端があったことは否定できない。明治三十二年に制定された「北海道旧土人保護法」は昭和四十三年六月、法律九四合により一部改正されたが、これはとりもなおさず日本人とアイヌ人とを区別したものであり、現在の実情に添わないことは今さら論を俟たない。