日別アーカイブ: 2019年2月22日

アイヌの定義とは?

前項の通り、どこからが「アイヌ文化か?」という定義も、成立自体が長い時間を掛けて混交・交流した結果なのだから、それを「どこかの時点」で線引き出来るはずもなく、また地勢的にも混交の濃度がまちまちなのだから「境界で区分」も出来ず、それ故に「アイヌ民族とは何か?」を定義できないのも当然の事。

つまりは、そうした定義に拘って「何がアイヌか?あるいは非アイヌ(和人)か?」という区分で「人を分ける行為」には「差別」しかない。

しかしながら、7~800年ほど続いた「アイヌ文化」と呼ばれるものは在ったし、各地の部族も存在して、それぞれ毎にルーツも有るので、そうした存在や文化を「無かった事」には出来ない。

ただ、現時点では、それぞれの部族ごとの個別の文化を継承する方々も殆ど居らず、また新たな継承者を求めようにも「民族の血」に拘ったところで、そもそもの「民族」の定義が出来ないのだから、その「血」を求めるのが不適切だし、「血に依る差別」を生じるだけだろう。

つまりは、これからのアイヌ団体の在るべき姿としては「アイヌ文化に触れたい・学びたい」と願う人なら誰でも加入でき、基本的には「懲罰的退会処分」以外には「脱退させられる」事も無く、加入条件は「本人の意志」のみ。さらには「国籍も問わない」という、あくまでも「文化的・学問的・民俗的」な「希望者が集う市民団体」としての「アイヌ協会」に変革すべきなのだろう。

当然、団体に加入したからと言って「個々の生活」への助成など不要だし、特別な控除も扶助も資金援助も無く、また、そうした何らかの権利を求める「活動家」では無いのだから、あくまでも「市民参加」の団体に過ぎない。

ただ、アイヌ協会に加入する事で、協会主催や博物館や大学センターなどが協賛・共催するアイヌ関連のイベント等に「スタッフ」として優先的に参加できるなどの「参加者・ボランティア」の枠が得やすいとか、勉強会・体験会に参加してアイヌ文化を学ぶ機会を多く持てる、というメリットは有るべきだろう。
というか、そうした事(アイヌ文化を学び体験する)が目的の団体なのだから。

そして「誰でも広く参加できる」が基本なのだから、参加している方々の「権利」は日本人としての一市民に過ぎないし、「伝統の文化」もまた日本の中の伝統文化の一部なのだから、何処かに占有的に使用する権利が有る訳もなく、ましてや「文化の盗用」などと云う概念など百害あって一利なしで、むしろ積極的に広く伝えて使われるべきだろう。

そうして広くアイヌ文化が伝わり、アイヌ文化について触れる人が増え、日本の国土に住まう人々の歴史の一部としてアイヌの歴史も尊重される。

それは同時に、分母が拡がる事で拡散され、形を変えた新しいアイヌ文化が生まれる事も意味する。

日本の寿司が、世界各地に広がった結果、新たな「SUSHI」として様々な可能性を拡げたように。

しかしながら、そうしてなお、核となり、尊重され、受け継がれるモノが有る。それこそが国体であり国家・民族の象徴だろう。

いわば、英領・連合王国から独立した各国にあっても、今なお国旗の一部にユニオンジャックを飾り、エリザベス女王を刻んだ硬貨を使い続けて、英国王室を尊重するのと同じように。

アイヌは先住民族か?

この問題について、アイヌ文化の成立から考えてみると、その発生の経緯としては、南は沖縄・琉球から日本列島を経て千島・樺太およびロシア北東部まで、先史時代から続いてきた各種の混交・交流があり、北海道に於いては北海道縄文・擦文文化とオホーツク・トビニタイ文化の双方の影響を受けて「アイヌ文化」が成立した。

オホーツク系の流入ルートや流入時期による個々の起源の差異だけでなく、北海道縄文文化も地域差が有り、いずれの分布域も重なりながら広範囲に点在していた。

故に、これらの混交の結果として生み出されたアイヌ文化も、決して一つでは無い。

その発祥から見ても、どこからがアイヌ文化で、どこまでがオホーツク文化で、どこが縄文文化か、という切り分けも不可能。

ましてや「征服」や「植民地」という話でも無く、成立の当初から日本の住民であり、ただ単に中央集権への帰属が遅かったと云うだけの事。

つまり「先住民族」という定義には箸にも棒にも引っ掛からず、その起源が混交の結果なのだから「先住」ですらない。

北海道アイヌだけでなく、樺太アイヌ、千島アイヌ、といった「いわゆるアイヌ」の括りばかりか、クリル系その他の北方の血を受け継いだ「北海道旧土人保護法」の名前が示す範囲に含まれる方々は、一括りに「アイヌ」と呼びえないからこその「北海道旧土人保護法」であり、そうした種々の違いを丸々無視して「一つのアイヌ」や「アイヌ民族」を自称すること自体が「自身のルーツの毀損」に他ならず、故に「自称アイヌ」「いわゆるアイヌ」と語られる次第である。

ただし、これを指して「アイヌ文化が存在しない」という話では無く、成立の当初から地域差・濃淡が有り、部族差が有り、言語差が有り、それぞれの文化・風習にも互いに差が有る。

そして、それぞれ毎に「受け継ぐ者」が存在してこその、自らのルーツを尊重した文化の継承である。

例えば、道路占有の許可を得て山車や神輿を牽いて練り歩く祭を続けるのも文化の継承の一つ。

「どんど焼き」なども消防の許可を得て行う祭事の一つ。

「祭事だから許可されるべき」では無く、あくまでも法律順守のもと、祭事として行いたい者が、行うための許可を正当に取得して実施して、それを次世代に受け継ぐものへと繋いでいく。

そして、その祭事を執り行う主体は、その文化を担い継承する事を望む人たち、すなわち有志であり、それに対して行政は「道路の使用許可」などを与えるけれども、特定の「有志」を特別扱いする事は無い。

正当な申請である限り、その有志が誰かによって片や許可、片や却下という「特別扱い」を行うのでは、それは行政による「不当な差別」である。

文化遺産の継承として行政が支援する浄瑠璃や、国技としての「相撲」などは有れども、あれも「参加する人」は血の条件などに依らず、場合によっては日本国民でなくても参加できる。

このように、支援しているのは「文化の継承」であって、「特別な人への助成」では無い。

また、支援対象は「文化の継承を続けていた」こその「伝統」であり「歴史的な価値」であり、そうした「伝統の文化」を継続するための支援である。

そして、既に喪われた文化を発掘するのは博物館や研究の世界であり、当時を手放した人たちが、今さらのように被害者であるかのように語って「保護」されるべきものでは無いし、ましてや新たに生み出すような「何の伝統さえ無いもの」に対して公的な助成を行う合理的な理由など在る筈も無い。

それは50年も昔の国会答弁でさえ、貧困や助成が必要な場合については従来の保護法を廃止し、今後は個別に生活保護の制度の中で行われるべき旨が記録されている事からも明らか。

故に、今回の「アイヌ新法」など、その根底からして間違っていると言わざるを得ず、「アイヌを先住民族とする決議」など破棄すべきである。ましてや、新しく制定する法律に「アイヌを日本の先住民族と明記する」など、決して許しては成らない。

第198回国会 予算委員会 第3号

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001819820190205003.htm

第198回国会 予算委員会 第3号
(平成31年2月5日(火曜日))


政府参考人
(内閣官房アイヌ総合政策室長) 橋本 元秀君


○丸山委員 でも、去年の質疑を受けて動いてくださったことには感謝申し上げます。しかし、同様の事例、本当に起きそうなので、しっかりこれは前に進めていただきたいというふうに思います。
 ちょっと話題が、実は、調査統計で同じ関連なんですが、いろいろなデータを見ていて、あれ、これはどういうことだろうと思ったものがありました。というのは、ことし、この通常国会にアイヌ関連の新法が出てくるという形になっていますが、これに関して少しお伺いしていきたいんです。
 このアイヌの方々に対する支援、こうしたものを法案として出される予定、今後出されるということなんですが、このもとになる、根拠元になったデータというのがすごく気になるんですよね。アイヌの方の生活実態調査という形で、これを内閣官房の方でやられているんですが、アイヌの方々の年収が総合的に低いのではないかというデータを示したりされているわけですね。
 そうした中で、そもそものデータの結果を受けていたのは、利害関係がある、要は、支援を受ける側であるアイヌ協会さんから紹介を受けて、いわゆる機縁法というんですけれども、紹介を受けてやるという、そもそもそのサンプルの確からしさというのに対する疑い。そもそも、サンプル数も百三十二、さらに無回答が二十一という、非常にサンプル数も少ない。統計上も非常に正確性が気になることもありますし、そもそも、この作業部会の構成員にアイヌ協会さんの名前があるんですけれども、アイヌ協会さん、実は不正会計問題でたびたび報道されております。
 協会の方々で、さらに補助金等を受けている方々であって、そういった意味で、この第三者性、ずっときょう言われています、そして、中立性があるか、この点、非常に疑わしいと言われても仕方がない、こうした可能性もあるというふうに思いますし、実は、この調査で、このサンプルの少ないという調査では、今回の調査は全数調査ではなくサンプル調査だが、限定的であったとしても十分に意味があるとかいうよくわからない一文がついているんですが、全く説得力がないというふうに思います。
 まず、そもそも、お伺いしたいんですが、先ほども申し上げましたが、幾つかアイヌ協会に対して不正の事件の報道があります。こうした不正のあったと言われているような団体が、国の機関であるアイヌ政策推進会議、又は、今後新たな国費の支給先になる可能性があるんですけれども、公益財団法人アイヌ民族文化財団、こうしたところに対して役職を兼ねていらっしゃるわけですね。こうしたものというのは、そもそも問題ないんでしょうか。そして、不正経理の問題というのは、もう政府としては問題ないと考えているからこうした状況になっているんですかね。第三者性とか客観性は保たれているんでしょうか。確認です。

○橋本政府参考人 ただいま委員から御指摘のございました不正経理問題、事前にお伺いしたところでは二〇一〇年に公表ということでございますので、北海道庁が二〇一〇年に公表しました事案について改めて調べてまいりました。
 それによりますと、北海道アイヌ協会の釧路支部において、領収書の改ざんであるとか水増し請求のあった事案だと承知しております。これに対しまして、釧路支部の役員が責任をとって退任するとともに、不正受給金は返戻されております。また、再発防止策の徹底に努めた、徹底を図ったというように承知しております。
 アイヌの方について、アイヌの人々の話を具体的に聞くという趣旨から、北海道アイヌ協会の理事長等に、内閣官房長官が座長を務めます政府のアイヌ政策推進会議、これに構成員として参加いただいているところでございますが、先ほど御指摘のような不正経理とかに関与したりとかそういったことはございません。御参加いただいているのは妥当なものだと承知しております。
 以上でございます。

○丸山委員 非常に、中立性、第三者性という形で今疑いのある統計の不正が出ていますが、こうしたところにも非常に政府の姿勢というのは怪しげなところがあるなと私は思っています。
 同時に、では、どういう方がアイヌの方かという認定の話とか、いろいろ確認していきたいところがあるんですけれども、そもそも、もう一回出していただくと、いろいろな予算がついていまして、実は、修学支援という形で奨学金がついているんですよ。これは地方の制度に対する国の補助金で入っているんですけれども、下の部分なんですが、この認定の部分がアイヌ協会さんがされている。先ほどの不正の会計があった協会さんですけれども、認定されていて、この手続に関して、一体全体、透明性や客観性があるかどうか、政府はどう考えているのか。
 そして、同時に聞きたいんですけれども、これは総理にお伺いしたいんですけれども、これは、選び方として、こうした受給に関する、若しくはアイヌの方だという認定という部分では、例えば憲法十四条では、門地による差別、生まれによる差別というのは禁止しています。逆に、他の国民から見たら、ほかの生活保護制度がある、例えば修学の支援の制度もある、逆差別になるんじゃないかという疑問も当然出てくると思うんですけれども、このあたりについてどのようにお答えになるのか。総理、よろしくお願いします。

○安倍内閣総理大臣 この詳細については政府参考人にお答えさせたいと思いますが、北海道庁が実施しているアイヌの方々の子弟に対する修学資金の貸付けに当たっては、アイヌであることの確認に当たり、北海道アイヌ協会理事長等の推薦書の提出を求めているところでありまして、同協会においては、戸籍等の客観的な資料をもとにしながらアイヌであることを確認した上で推薦書を作成しているものと承知をしております。
 北海道庁においては、当該推薦書を踏まえ、貸付けの可否については適切な認定を行っているものと承知をしております。
 修学資金の貸付けについては、アイヌであることの確認に加えて、各家庭の経済状況などを含め総合的に判断していることから、法のもとの平等を定めた憲法第十四条に反するものではないと認識をしております。

○丸山委員 いや、後半は、ほかの国民の皆さんから見たら、先ほども申し上げたように、奨学金制度もある、生活保護の制度だってある、後半は皆さん一緒なわけですよ。でも、前半の部分で、確認を協会でした、いろいろ手続を今おっしゃいました、戸籍の話もされました。戸籍がというところが非常に、今回私が申し上げている憲法十四条のところにひっかかっていく可能性がある、しっかり議論しなきゃいけないところだと思うんですけれども。
 前半について言っているのに、後半は国民の皆さん、一緒なわけですよ。しかし、前半で新たな制度があるというのは非常にしっかり確認していかなきゃいけないし、ただ、誤解がないように申し上げたいのは、しっかりアイヌの文化というのを守っていくというのは非常に大事な観点だと思います。
 ただ、そうした中に、今申し上げたような不正会計をしているような協会さんのチェックができているのかどうか。そして、今回新たに法案を出していくわけですから、しっかり、今申し上げた部分は、法案が出てき次第チェックしていきたいというふうに思います。
 時間がありませんので、ほかの部分に移ります(…後略…)


個別の救済は完了していた

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/058/0020/05805090020021c.html
第058回国会 内閣委員会 第21号
昭和四十三年(1968年)五月九日(木曜日)


上記の国会 内閣委員会での答弁の一部を掲載します。


○受田委員 ~次は、今度の改正法案の内容に触れてまいりたいのでございますが、たいへんこまごまとした、すでに片づいているような問題を取り上げておられる。その一つに「北海道旧土人に対する就学資金および不良住宅の改良資金の支給に関する規定を削除すること。」とあるが、これは北海道旧土人保護法の一部改正ということにもなってきておるのでございまする~

○受田委員 ~ここに掲げてある整理の対象になっている旧土人の就学資金、不良住宅の改良資金、こういう規定を削除するということでございますが、この支給規定は昭和十一年ごろまでに適用したのであって、その後はもう現実に死文化されておると私は聞いておるのです。それにかわって生活保護法の制度による教育扶助、住宅扶助、あるいは不良環境の改善というようなところへ目標を変えておられるわけです~

○曾根田説明員 確かに御指摘のように法律そのものが非常に古い法律でして、相当多数のものがすでに戦前から死文化しておる。そのこと自体が問題だとおっしゃられるとそのとおりでございますけれども、特別といいますか、あまり外から問題にされることも実はなかったわけですから、今日まで至ったというのが実際でございます。


このように、昭和43年(1968年)という、今から50年も前に、既にアイヌへの個別の助成は不要となり、今後は生活保護法の制度に基づいて扶助や改善を行う旨が答弁されています。
また、国会では、アイヌ個別への助成(旧土人保護法の規定の一部)は、昭和十一年頃までの適用であって、既に死文化している、と説明されています。

では、その後のウタリ協会・アイヌ協会が認定し、推薦状を発行する事で受けられていた修学助成金や、札幌市はじめ道内各地で返済が滞っている住宅資金援助とは、一体何なのでしょう?

国会答弁では「既に終わった制度だから、廃止して今後は生活保護法の制度に従う」と在るにも関わらず、自治体レベルで実施していたのでしょうか?