アイヌ修学資金制度の問題

北海道議会議事録
平成22年第1回予算特別委員会第2分科会-03月18日-03号
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北海道議会議事録
平成22年第1回予算特別委員会第2分科会-03月18日-03号

◆(滝口信喜委員) それでは次に、アイヌ政策の推進についてお尋ねをいたしたいと思います。
 御承知のとおり、国のアイヌ政策推進会議が開かれておりまして、先般、二つの部会が開かれたというふうに聞いておりますけれども、今後どのような検討が行われるのか、まず最初に伺っておきたいと思います。

○(田村龍治委員長) 総務課参事村井篤司君。

◎(村井総務課参事) アイヌ政策推進会議についてでございますが、国の有識者懇談会の報告を受けまして、総合的かつ効果的なアイヌ政策を推進するため、新たに、アイヌ政策推進会議が設置され、ことし1月29日に第1回目の会議が開催されたところでございます。
 また、3月11日には、民族共生の象徴となる空間と、北海道外に住むアイヌの生活実態調査を検討するための第1回作業部会が開催されたところでございます。
 民族共生の象徴となる空間の作業部会では、この部会のアイヌ民族関係者から、その意義や必要性などについて提案をいただき、それをもとに、外部の専門家からのヒアリングや、先進地事例の整理などを行った上で、象徴となる空間の具体像の検討などを今後1年程度かけて行うこととなったところであります。
 また、北海道外のアイヌの生活実態調査の作業部会では、社会調査などの専門家や、これまで生活実態調査を実施してきた道に対しましてもヒアリングが行われまして、調査方法や項目が確定された後、道外の生活実態調査を来年度中に実施することとなったところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) 今お話があったように、二つの部会は、民族共生の象徴となる空間という、いわゆる文化の面といいましょうか、こういうこと、もう一つは、道外のアイヌの生活実態を調査するということでありまして、生活支援にこれからどう取り組んでいくかということで、新しい流れに大きく進んでいくというのが今の状況であります。
 そこで、今日まで議会の場でもさまざま問題になってまいりましたけれども、アイヌ子弟大学等修学資金等貸付制度について伺っておきたいと思います。
 最初に、この資金については、高校も含めてでありますけれども、やはり何としても、大学への進学率を向上させていこうということであります。当然、アイヌ施策としては、教育、就労、人権というのが大きな課題になっております。これを、さまざまな事業や施策を通してどうやっていくかということであります。
 それで、道が行う教育支援策というのが果たしてきた役割は極めて大きいと私は考えていますけれども、この制度の創設の理念をまず最初に伺っておきたいというふうに思います。

◎(村井総務課参事) アイヌ子弟に係る修学資金制度創設の理念についてでございますが、この制度は、道内に居住するアイヌの子弟で、大学教育を受ける能力を持ちながら、経済的理由により当該教育を受けることが困難な者に対し、その修学に必要な資金及び入学に必要な資金を提供することによりまして、アイヌ子弟の教育の振興に資することを目的に、昭和51年度に、国庫補助を受け、給付制度として開始し、昭和57年度に貸付制度に改正し、今日に至っているところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) そういうことが理念だということであります。
 そこで、このたび、修学資金制度を改正するというふうに聞いておりますが、この理由──道の政策評価制度がありますけれども、昨年、この事業は、私の調べたところによれば、継続すべきということになっているはずであります。
 さらに、この修学資金制度の改正の内容をお聞きしますと、返還免除の基準額の見直しというものがあるようであります。これは、日本学生支援機構奨学金の返還猶予の基準である300万円を用いているということになっているようでありますけれども、あわせて、どういう内容か、伺っておきたいと思います。

○(田村龍治委員長) 環境生活部次長笠原清孝君。

◎(笠原環境生活部次長) 修学資金制度の改正の内容についてでございますけれども、当該制度を、実質的に返還が行われるような制度に改正するといたしましても、道内のアイヌの人たちの厳しい生活実態を踏まえますと、減免規定も必要であるというふうに考えているところでございます。
 減免規定を設けるに当たりましては、その基準をどこに置くかにつきまして、さまざまな角度から検討いたしました。
 その結果、日本学生支援機構の奨学金制度におきまして、生活困窮者に係る返還の猶予基準を年収300万円以下としていることを参考にいたしまして、北海道労働局が行いました、大学新卒者の初任給に関する統計調査のほか、北海道職員でございますとか札幌市職員の大卒初任給などを比較検討しました結果、それぞれが300万円程度ということでございましたものですから、減免基準といたしまして、年収300万円以下とすることが適当であると判断したものでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) 今、二つ聞きました。
 まず、修学資金制度改正の理由は何かです。そして、その内容については、聞くところによると、今言われた奨学金の金額ということでありますので、最初の、改正の理由について、もう一度お尋ねします。

◎(笠原環境生活部次長) 申しわけございません。
 修学資金制度改正の理由についてでございます。
 本制度は、昭和57年度に貸付制度に改正を行ったものでございますが、ほとんどの借り受け者が減免規定の適用を受けまして、給付に近い形となっておりましたことから、これまでも、減免規定の見直しでありますとか、貸付期間を正規の修業年限とするなど、改正を行ってきたところでございます。
 また、昨年、政策評価におきまして審査したわけでございますけれども、これは、本制度の必要性について審査をさせていただきまして、その結果、事業は継続することが必要というふうに判断をいたしたものでございます。
 以上、申し上げましたように、本制度につきましては、その都度、改正を行ってきておりますけれども、給付に近い形での運用は解消されておりませんで、所管の文部科学省からは、その後におきましても、返還の減免基準の見直しなどについて指摘をされてきているところでございます。
 このような状況に加えまして、この修学資金制度が、将来、現行の内容のままで全国展開されることは、国民の理解を得ることが極めて難しいというふうに思われましたことから、平成21年の第1回及び第2回定例会での議論を踏まえまして、実質的に返還が行われるような制度に改正をすることとしたものでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) 今、制度については、その都度、改正を行ってきたということでありましたけれども、具体的、時系列的に、この制度の改正についてお示しをいただきたいと思います。

◎(村井総務課参事) 制度改正の具体的な流れについてでございますけれども、時系列的に申し上げますと、まず、平成14年度に、貸し付けの申請書に経費の内訳書を添付させるというふうな改正を行ったところでございます。
 次に、平成15年度には、先ほどの答弁の中にもございました、貸付期間を大学等の正規の修業年限以内とするような改正を行ったところでございます。
 また、平成19年度には、これも先ほどの答弁にございました減免基準につきまして、生活保護法の保護基準により算定いたします最低生活費の年額の1.7倍を1.5倍に改正したところでございます。
 また、平成20年度には、減免の判定につきまして、平成21年3月の卒業生の方から、卒業後のほか、3年を経過した後にも再度行うように改正したところでございます。
 また、平成21年度には、申請の際に、申請者本人が貸付制度の対象者であることを申し入れていただく申出書を添付していただくように改正を行ったところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) その都度、改正をしたというふうに言っていますけれども、今お聞きをしますと、減免基準の関係については、1.7倍を1.5倍に改正したということだろうと思うのです。
 それで、今、1.5倍というのは585万円だとお聞きをしておりますけれども、1.7倍を1.5倍に改正する前の数字というのはどの程度だったのですか。

◎(村井総務課参事) 減免基準の算定に当たりまして乗する係数の関係についてでございますけれども、ただいま委員からお話があった点につきましては、試算いたしますと、1.7を乗じた場合には620万円ということでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) そうしますと、平成19年度に、620万円から585万円に変えたということであります。ですから、昭和57年度から貸付制度になって、平成19年度の改正までは、620万円でずっと来ていた、こういうことだろうというふうに思います。
 それで、貸付制度に変わるときに、ほとんどの借り受け者が減免規定の適用を受け、給付に近い形となっていたという話もございます。ですから、620万円ということであれば、当然、当初から予測できた金額ではないかなと思います。
 しかし一方では、制度の創設の理念として、アイヌの人方の厳しい生活実態から、こういう制度でいこうということで進めてきたのではないかと思います。
 そこで、文科省から指摘をされたということでありますけれども、いつごろ指摘をされたのか。

◎(村井総務課参事) 文部科学省からの指摘についてでございますけれども、国の平成10年度予算要求時の大蔵省の指示に基づきまして、平成9年度に、文部科学省のほうから御指示などがありましたことを初めといたしまして、平成13年度、17年度、18年度など、たびたび御指摘を賜っているところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) それでは、585万円以上の所得がありながら、返還をしていないという件数があるのかどうか。一方では、585万円を超えて、返還している実績もあわせてお尋ねをしたいと思います。

◎(村井総務課参事) 返還の件数についてでございますけれども、現在まで、3名、返還をしていただいている方がおられるところでございますけれども、このうち、基準額を超えたことによる返還の事例はないものでございます。
 以上でございます。

–(後略)–

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