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戸籍の「アイヌ」記載問題について.2

第107回国会 社会労働委員会 第3号
昭和六十一年十一月二十五日(火曜日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/107/1200/10711251200003a.html
(議事録より抜粋)


○千葉景子君 これは戸籍の関係になるかと思いますけれども、戸籍の面で現在でも残っているような差別あるいは特別な措置、こういうものはございませんでしょうか。法務省にお伺いいたします。

○説明員(細川清君) お答え申し上げます。
 現行の戸籍制度上あるいは実務上におきましては、ウタリ出身の方々につきまして一般の場合と取り扱いが違うということは全くございません。

○千葉景子君 ちょっと私が調査したところによりますと、戸籍上、旧土人給与地戸籍より入籍とか、こういう書き方が残っているのではないだろうかと思われるんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○説明員(細川清君) お答え申し上げます。
 今御指摘の北海道旧土人保護法によりまして下付された土地につきましては、通常の行政区画の中に通常ございます町名、字名、地番というものは古い時代には付されていなかったという事情がございます。したがいまして、戸籍上非常に古い大正年間ごろまでの戸籍におきましては、その場所を特定するために北海道旧土人給与地で出生というような記載がなされた事例がございます。ただ、この点につきましては現行の取り扱いでは、その出生地につきましては具体的な場所を記載するということではなくて、最小行政区画を記載するようになっております
 そしてまた、昭和四十七年ごろにこの点の古い戸籍が問題になりましたので、私どもといたしましてはそういう記載は必ずしも適当でないというふうに考えましたので、この点の戸籍を再製するときはその記載を除去しまして、現行の取り扱いに応じて最小行政区画だけを記載するようにと、そういう指導をしておるわけでございます。


戸籍の「アイヌ」記載問題について

第072回国会 法務委員会 第7号
昭和四十九年二月二十日(水曜日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/072/0080/07202200080007a.html
(議事録より抜粋)


○川島(一)政府委員 こういった問題につきましては、最初に申し上げましたように、民事行政審議会で十分検討をしていただければ、それに基づいた処置をとることになろうか、こういうふうに考えておるわけであります。
 どういう点に問題があるかということでございますが、最近プライバシーの問題がいろいろやかましくなってきておりまして、他人の戸籍を見て、それを一般に情報として提供する、こういうことが問題になったこともございます。それから、一つは同和の関係がございます。同和問題との関係で、戸籍を自由にだれにでも閲覧させるということは、場合によっては個人のあまり知らしたくない事項を人に知られる結果になるから、若干そういった点についての配慮を加えてほしい、こういった問題もあるわけでございます。

○稲葉(誠)委員 除籍謄本の古いのをずうっとさかのぼっていくわけでしょう。いきますと、あれを整理したのはいつでしたっけね。大正四年か何かに整理しましたね。残っているのがあって、何ですか、壬申戸籍というのですか、あれはどういうふうなものですか。
 それから、ちょっと一部のあれに出ていたのですが、たとえば北海道における民族、そういう人たちのことを何か別な形で表示しているのが残っているのですか。そこはどういうふうに法律的になって、実際はどういうふうになっているのですか。

○川島政府委員 まず北海道の問題から申し上げますと、昔アイヌ人に土地を給与した、土地を与えたという例がございます。その場合に出生地として土人給与地において出生、こういう記載が戸籍にされたことがございます。そうしますと、それを見ると、この人はアイヌであるということが戸籍の上でわかってしまう。これは、場合によってはその本人としてぐあいが悪いということもございますので、そういう戸籍を直してほしいという要望がございまして、これはそのように処置いたしたわけでございます。
 それから壬申戸籍の問題でありますが、これは明治五年式の戸籍にいろいろ俗称というものが書いてあったわけですが、その俗称の記載が相当まちまちでございまして、中にはあまり好ましくない表示がされておるものがあるということでございました。そこで、明治五年式戸籍というのは明治十九年にまた改められまして、取り扱いが変わったわけでありますが、明治五年から十九年までの間につくられました戸籍が壬申戸籍でありまして、これにつきましてはそういういろいろ問題がございますので、法務省といたしましては、この保管については特別な取り扱いをせよということにいたしております。現在閲覧は一切許さない。それから、そういう戸籍は全部一カ所にまとめて、そうして包装して封印をするという厳重な取り扱いをしておるわけでございます。保存期間が満了いたしまして、すでに廃棄したものもございます。そういう実情でございます。

○稲葉(誠)委員 それから、どこどこの刑務所で出生したというのはまだ戸籍に載っているのですか。それはいまやめたの。壬申戸籍というのはいつごろ全部破棄になる見込みなんですか。

○川島政府委員 戸籍の保存期間は、除籍になりましてから八十年ということになっております。したがいまして、まだ残っておるものもあるようでございますが、大体そういうことでございます。
 それから、刑務所で出生したというような記載でございますが、そういう記載のあるのがかつてはございました。現に除籍などにそういう記載が残っておりますが、そういうものにつきましては、戸籍謄本を発行する場合には写してはならないという取り扱いにいたしております


アイヌ修学資金制度の問題

北海道議会議事録
平成22年第1回予算特別委員会第2分科会-03月18日-03号
より


北海道議会議事録
平成22年第1回予算特別委員会第2分科会-03月18日-03号

◆(滝口信喜委員) それでは次に、アイヌ政策の推進についてお尋ねをいたしたいと思います。
 御承知のとおり、国のアイヌ政策推進会議が開かれておりまして、先般、二つの部会が開かれたというふうに聞いておりますけれども、今後どのような検討が行われるのか、まず最初に伺っておきたいと思います。

○(田村龍治委員長) 総務課参事村井篤司君。

◎(村井総務課参事) アイヌ政策推進会議についてでございますが、国の有識者懇談会の報告を受けまして、総合的かつ効果的なアイヌ政策を推進するため、新たに、アイヌ政策推進会議が設置され、ことし1月29日に第1回目の会議が開催されたところでございます。
 また、3月11日には、民族共生の象徴となる空間と、北海道外に住むアイヌの生活実態調査を検討するための第1回作業部会が開催されたところでございます。
 民族共生の象徴となる空間の作業部会では、この部会のアイヌ民族関係者から、その意義や必要性などについて提案をいただき、それをもとに、外部の専門家からのヒアリングや、先進地事例の整理などを行った上で、象徴となる空間の具体像の検討などを今後1年程度かけて行うこととなったところであります。
 また、北海道外のアイヌの生活実態調査の作業部会では、社会調査などの専門家や、これまで生活実態調査を実施してきた道に対しましてもヒアリングが行われまして、調査方法や項目が確定された後、道外の生活実態調査を来年度中に実施することとなったところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) 今お話があったように、二つの部会は、民族共生の象徴となる空間という、いわゆる文化の面といいましょうか、こういうこと、もう一つは、道外のアイヌの生活実態を調査するということでありまして、生活支援にこれからどう取り組んでいくかということで、新しい流れに大きく進んでいくというのが今の状況であります。
 そこで、今日まで議会の場でもさまざま問題になってまいりましたけれども、アイヌ子弟大学等修学資金等貸付制度について伺っておきたいと思います。
 最初に、この資金については、高校も含めてでありますけれども、やはり何としても、大学への進学率を向上させていこうということであります。当然、アイヌ施策としては、教育、就労、人権というのが大きな課題になっております。これを、さまざまな事業や施策を通してどうやっていくかということであります。
 それで、道が行う教育支援策というのが果たしてきた役割は極めて大きいと私は考えていますけれども、この制度の創設の理念をまず最初に伺っておきたいというふうに思います。

◎(村井総務課参事) アイヌ子弟に係る修学資金制度創設の理念についてでございますが、この制度は、道内に居住するアイヌの子弟で、大学教育を受ける能力を持ちながら、経済的理由により当該教育を受けることが困難な者に対し、その修学に必要な資金及び入学に必要な資金を提供することによりまして、アイヌ子弟の教育の振興に資することを目的に、昭和51年度に、国庫補助を受け、給付制度として開始し、昭和57年度に貸付制度に改正し、今日に至っているところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) そういうことが理念だということであります。
 そこで、このたび、修学資金制度を改正するというふうに聞いておりますが、この理由──道の政策評価制度がありますけれども、昨年、この事業は、私の調べたところによれば、継続すべきということになっているはずであります。
 さらに、この修学資金制度の改正の内容をお聞きしますと、返還免除の基準額の見直しというものがあるようであります。これは、日本学生支援機構奨学金の返還猶予の基準である300万円を用いているということになっているようでありますけれども、あわせて、どういう内容か、伺っておきたいと思います。

○(田村龍治委員長) 環境生活部次長笠原清孝君。

◎(笠原環境生活部次長) 修学資金制度の改正の内容についてでございますけれども、当該制度を、実質的に返還が行われるような制度に改正するといたしましても、道内のアイヌの人たちの厳しい生活実態を踏まえますと、減免規定も必要であるというふうに考えているところでございます。
 減免規定を設けるに当たりましては、その基準をどこに置くかにつきまして、さまざまな角度から検討いたしました。
 その結果、日本学生支援機構の奨学金制度におきまして、生活困窮者に係る返還の猶予基準を年収300万円以下としていることを参考にいたしまして、北海道労働局が行いました、大学新卒者の初任給に関する統計調査のほか、北海道職員でございますとか札幌市職員の大卒初任給などを比較検討しました結果、それぞれが300万円程度ということでございましたものですから、減免基準といたしまして、年収300万円以下とすることが適当であると判断したものでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) 今、二つ聞きました。
 まず、修学資金制度改正の理由は何かです。そして、その内容については、聞くところによると、今言われた奨学金の金額ということでありますので、最初の、改正の理由について、もう一度お尋ねします。

◎(笠原環境生活部次長) 申しわけございません。
 修学資金制度改正の理由についてでございます。
 本制度は、昭和57年度に貸付制度に改正を行ったものでございますが、ほとんどの借り受け者が減免規定の適用を受けまして、給付に近い形となっておりましたことから、これまでも、減免規定の見直しでありますとか、貸付期間を正規の修業年限とするなど、改正を行ってきたところでございます。
 また、昨年、政策評価におきまして審査したわけでございますけれども、これは、本制度の必要性について審査をさせていただきまして、その結果、事業は継続することが必要というふうに判断をいたしたものでございます。
 以上、申し上げましたように、本制度につきましては、その都度、改正を行ってきておりますけれども、給付に近い形での運用は解消されておりませんで、所管の文部科学省からは、その後におきましても、返還の減免基準の見直しなどについて指摘をされてきているところでございます。
 このような状況に加えまして、この修学資金制度が、将来、現行の内容のままで全国展開されることは、国民の理解を得ることが極めて難しいというふうに思われましたことから、平成21年の第1回及び第2回定例会での議論を踏まえまして、実質的に返還が行われるような制度に改正をすることとしたものでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) 今、制度については、その都度、改正を行ってきたということでありましたけれども、具体的、時系列的に、この制度の改正についてお示しをいただきたいと思います。

◎(村井総務課参事) 制度改正の具体的な流れについてでございますけれども、時系列的に申し上げますと、まず、平成14年度に、貸し付けの申請書に経費の内訳書を添付させるというふうな改正を行ったところでございます。
 次に、平成15年度には、先ほどの答弁の中にもございました、貸付期間を大学等の正規の修業年限以内とするような改正を行ったところでございます。
 また、平成19年度には、これも先ほどの答弁にございました減免基準につきまして、生活保護法の保護基準により算定いたします最低生活費の年額の1.7倍を1.5倍に改正したところでございます。
 また、平成20年度には、減免の判定につきまして、平成21年3月の卒業生の方から、卒業後のほか、3年を経過した後にも再度行うように改正したところでございます。
 また、平成21年度には、申請の際に、申請者本人が貸付制度の対象者であることを申し入れていただく申出書を添付していただくように改正を行ったところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) その都度、改正をしたというふうに言っていますけれども、今お聞きをしますと、減免基準の関係については、1.7倍を1.5倍に改正したということだろうと思うのです。
 それで、今、1.5倍というのは585万円だとお聞きをしておりますけれども、1.7倍を1.5倍に改正する前の数字というのはどの程度だったのですか。

◎(村井総務課参事) 減免基準の算定に当たりまして乗する係数の関係についてでございますけれども、ただいま委員からお話があった点につきましては、試算いたしますと、1.7を乗じた場合には620万円ということでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) そうしますと、平成19年度に、620万円から585万円に変えたということであります。ですから、昭和57年度から貸付制度になって、平成19年度の改正までは、620万円でずっと来ていた、こういうことだろうというふうに思います。
 それで、貸付制度に変わるときに、ほとんどの借り受け者が減免規定の適用を受け、給付に近い形となっていたという話もございます。ですから、620万円ということであれば、当然、当初から予測できた金額ではないかなと思います。
 しかし一方では、制度の創設の理念として、アイヌの人方の厳しい生活実態から、こういう制度でいこうということで進めてきたのではないかと思います。
 そこで、文科省から指摘をされたということでありますけれども、いつごろ指摘をされたのか。

◎(村井総務課参事) 文部科学省からの指摘についてでございますけれども、国の平成10年度予算要求時の大蔵省の指示に基づきまして、平成9年度に、文部科学省のほうから御指示などがありましたことを初めといたしまして、平成13年度、17年度、18年度など、たびたび御指摘を賜っているところでございます。
 以上でございます。

◆(滝口信喜委員) それでは、585万円以上の所得がありながら、返還をしていないという件数があるのかどうか。一方では、585万円を超えて、返還している実績もあわせてお尋ねをしたいと思います。

◎(村井総務課参事) 返還の件数についてでございますけれども、現在まで、3名、返還をしていただいている方がおられるところでございますけれども、このうち、基準額を超えたことによる返還の事例はないものでございます。
 以上でございます。

–(後略)–

明治・大正の新聞資料

アイヌ人保護の請願に代表が上京(明治28年1月15日 報知)

愁訴に政治家は耳を傾けよ(明治28年1月27日 国民)

北海道土人保護法の審議(明治28年2月27日 時事)

保護法案審議(明治28年3月15日 時事), 北海道庁の暴政を非難(明治28年3月15日 国民)

保護法廃案となり、有志が保護会設立(明治28年5月1日 時事)


保護条例制定に向かう(明治30年10月9日 時事)


樺太
原住民、移住民、追放人らの現状(明治31年2月4日 官報)


北海道旧土人保護法を公布(明治32年8月2日 官報)

保護法に伴う予算問題(明治33年3月30日 時事)

アイヌ地紛争事件
近文原野を取り上げ、大倉組に払い下げか(明治33年4月25日 時事)

近文問題は園田長官の失政(明治33年4月25日 日本)

近文問題に関する園田長官の談話(明治33年4月26日 時事)


大倉と三浦暗躍、「転地願書」に捺印さす(明治33年4月30日 毎日)

上京団、枢密院議長に陳情(明治33年5月1日 時事)

「三浦不起訴」の検事正、不可解な発言(明治33年5月1日 毎日)
近文原野はアイヌの土地と決定(明治33年5月6日 時事)

(この後日談として、園田長官は内務省から譴責処分を受けています。)


旧土人保護法に基づく学校教育を計画(明治34年1月6日 時事)

近衛篤麿らが実業練習所を設ける計画(明治34年2月9日 時事)

学校建設地は室蘭に決まる(明治34年5月12日 東京日日)

白老病院開設(大正11年3月9日 北海タイムス)


アイヌの児童教育規定を廃止(大正11年4月28日 北海タイムス)


白老のアイヌ福祉施設と病院(大正11年8月13日 北海タイムス)

個別の救済は完了していた

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/058/0020/05805090020021c.html
第058回国会 内閣委員会 第21号
昭和四十三年(1968年)五月九日(木曜日)


上記の国会 内閣委員会での答弁の一部を掲載します。


○受田委員 ~次は、今度の改正法案の内容に触れてまいりたいのでございますが、たいへんこまごまとした、すでに片づいているような問題を取り上げておられる。その一つに「北海道旧土人に対する就学資金および不良住宅の改良資金の支給に関する規定を削除すること。」とあるが、これは北海道旧土人保護法の一部改正ということにもなってきておるのでございまする~

○受田委員 ~ここに掲げてある整理の対象になっている旧土人の就学資金、不良住宅の改良資金、こういう規定を削除するということでございますが、この支給規定は昭和十一年ごろまでに適用したのであって、その後はもう現実に死文化されておると私は聞いておるのです。それにかわって生活保護法の制度による教育扶助、住宅扶助、あるいは不良環境の改善というようなところへ目標を変えておられるわけです~

○曾根田説明員 確かに御指摘のように法律そのものが非常に古い法律でして、相当多数のものがすでに戦前から死文化しておる。そのこと自体が問題だとおっしゃられるとそのとおりでございますけれども、特別といいますか、あまり外から問題にされることも実はなかったわけですから、今日まで至ったというのが実際でございます。


このように、昭和43年(1968年)という、今から50年も前に、既にアイヌへの個別の助成は不要となり、今後は生活保護法の制度に基づいて扶助や改善を行う旨が答弁されています。
また、国会では、アイヌ個別への助成(旧土人保護法の規定の一部)は、昭和十一年頃までの適用であって、既に死文化している、と説明されています。

では、その後のウタリ協会・アイヌ協会が認定し、推薦状を発行する事で受けられていた修学助成金や、札幌市はじめ道内各地で返済が滞っている住宅資金援助とは、一体何なのでしょう?

国会答弁では「既に終わった制度だから、廃止して今後は生活保護法の制度に従う」と在るにも関わらず、自治体レベルで実施していたのでしょうか?

平成23年第4回予算特別委員会第1分科会-12月06日-03号

北海道議会 会議録検索(http://www01.gikai.pref.hokkaido.jp/voices/)より、平成23年度第4回予算特別委員会第1分科会 12月06日-03号

うち、小野寺秀道議(元)の発言に関する部分を抽出したものを下記に示す。

[ 平成23年第4回予算特別委員会第1分科会-12月06日-03号 ]

平成23年第4回予算特別委員会第1分科会

平成23年 予算特別委員会
第4回                会議録 第3号
北海道議会定例会  第1分科会
─────────────────────────────────
平成23年12月6日(火曜日)

出席委員      交代委員
 委員長
  道下大樹君
 副委員長
  田中芳憲君

  荒当聖吾君
  向井昭彦君
  石塚正寛君
  佐々木俊雄君
  梶谷大志君
  八田信之君
  小野寺 秀君
  大崎誠子君     中司哲雄君
  長尾信秀君
  滝口信喜君
  柿木克弘君
  竹内英順君
  高橋文明君
出席委員外議員
  真下紀子君
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出席説明員
   環境生活部長    山谷吉宏君
   環境生活部次長   中西猛雄君
   環境局長      石井博美君
   くらし安全局長   平戸 繁君
   アイヌ政策推進室長 和田秀樹君
   地球温暖化対策室長 柴田真年君
   エゾシカ対策室長  白野 暢君
   道民活動担当局長  伊藤敏彦君
   総務課長      濱口登代喜君
   アイヌ政策推進室  須貝行一君
   参事
   エゾシカ対策室参事 石島 力君
   同         吉田恵子君
   くらし安全推進課長 大川徳幸君
─────────────────────────────────
   総合政策部長    荒川裕生君
   総合政策部     竹林 孝君
   地域振興監
   総合政策部次長   瀬戸良之君
   知事室次長     山澄 克君
   政策審議局長    籔 紀洋君
   新幹線・交通企画  宮川秀明君
   局長
   兼新幹線対策室長
   地域づくり支援局長 神 姿子君
   地域主権局長    中川淳二君
   新千歳空港周辺対策
   担当局長      村木一行君
   総務課長      田尻忠三君
   国際課長      篠原正行君
   政策審議局参事   梶田敏博君
   計画推進局参事   平野陽彦君
   地域交通課長    松橋明生君
   新幹線・交通企画局 新出哲也君
   参事
   新幹線対策室参事  山口修二君
   地域主権局参事   伊藤徹彦君
─────────────────────────────────
   総務部長      立川 宏君
   危機管理監     寺山 朗君
   総務部次長     坂本和彦君
   兼大学法人運営支援
   室長
   行政改革局長    出町祐二君
   調査担当局長    佐藤嘉大君
   人事局長      山本広海君
   財政局長      岡崎一智君
   原子力安全対策   池田二郎君
   担当局長
   総務課長      林 信男君
   財産制度担当課長  浦島浩史君
   行政改革局参事   渡辺明彦君
   行政改革課長    朝倉浩司君
   人事課長      佐藤 敏君
   給与・服務担当課長 河治勝彦君
   学事課長      成田祥介君
   財政課長      今井太志君
   税務課長      福井宏行君
   原子力安全対策課長 橋本彰人君
   環境安全担当課長  勝木雅嗣君
─────────────────────────────────
議会事務局職員出席者
   議事課主幹     山科良明君
   議事課主査     富永 誠君
   同         椛澤忠伸君
   同         森田和寿君
   同         西本 司君
   同         村上弘倫君
   同         武田 淳君
   同         渡邊英徳君
─────────────────────────────────
  午前10時3分開議
◆(小野寺秀委員) それでは、通告に従いまして、アイヌ政策について質問をしてまいりますが、今まで、アイヌ協会等々の多くの問題が明るみになりましたが、今でもまだ多くの問題があるというふうに私は思っております。しかも、アイヌ協会自体が恐ろしい方向に進んでいるのではないかという感じがしております。
 そこで、以下、伺ってまいりますが、まず最初に、アイヌ文化振興財団についてお伺いをいたします。
 アイヌ文化振興財団の助成事業についてでございますけれども、私は、平成21年の決算特別委員会において、アイヌ協会日高支部が実施した、イタオマチプの伝統工芸複製助成事業にかかわって、支部に150万円のお金を払ったにもかかわらず、実際には、そのイタオマチプの現物がなくて、お金も返ってきていないという事態が明るみになって、私はそれを追及しましたが、それは実際に今どうなっているのか、お教えください。
○(道下大樹委員長) アイヌ政策推進室参事須貝行一君。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) 伝統工芸複製助成事業に対する財団の対応についてでありますが、この案件につきましては、平成21年に委員から御指摘がありましたように、平成16年度に日高支部において実施されました事業に関し、当該支部から、事業に着手できない旨の報告がありましたことから、平成17年3月、助成決定を取り消すとともに、既に支払った150万円の返還命令を行ったものであります。
 その後、再三にわたりまして、返還金の督促を行ってきましたが、返還されないことから、平成19年1月に、日高支部長を相手として訴訟を起こし、同年12月に、返還すべしと結審をしたところでございます。
 その後も履行されないことから、引き続き督促を行ってきましたが、資産や支部運営の状況等を理由に、返還が困難であるとの回答があり、平成17年の返還命令から本年まで、返還金の回収がされておりませんことから、本年7月、弁護士に強制執行について相談したところ、それも難しいとの結論でございました。
 そうしたことを踏まえながらも、財団では、履行を繰り返し求めてきたところでございまして、本年10月に、支部から、本件に対する改善検討の申し出がなされ、財団は、その結果を踏まえて対応することとしているところであります。
 今後、道といたしましては、日高支部の対応を把握し、改善検討がなされるよう、日高支部と協議させるなど、助言指導をしてまいる所存でございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 船をつくるということで150万円を払って、船がない、お金を返せと言って、結局、返ってこない、そういうような対応で本当にいいのでしょうか。
 もう一つお聞きしますけれども、ハワイの先住民族との国際文化交流助成事業において、74万円の返還をアイヌ協会のほうに求めているはずですけれども、この対応をお聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) 国際文化交流助成事業に関する財団の対応についてでございますが、この案件につきましても、平成21年に委員から御指摘がありましたように、平成16年度に日高支部で実施された事業に関し、平成17年10月、概算払い額と確定額との差額の74万円に対し、返還命令を行ったものであります。
 その後、再三にわたり、返還金の督促を行ってまいりましたが、返還されないことから、平成19年1月に、日高支部長を相手として訴訟を起こし、同年12月に、返還すべしと結審をしたところでございます。
 その後も履行されないことから、引き続き督促を行ってきましたが、本年まで、返還金の回収がなされませんことから、本年7月、弁護士と強制執行について相談をしましたが、それも難しいとの結論でありました。
 そうしたことも踏まえました、財団からの繰り返しの履行請求に対しまして、本年10月に、支部から改善検討の申し出がなされ、財団としては、その結果を踏まえ、対応することとしているところであります。
 道といたしましては、先ほど答弁いたしました伝統工芸複製助成事業の返還金の150万円と合わせまして、合計224万円に関する日高支部の対応を把握し、改善検討がなされるよう、日高支部と協議させるなど、財団に対し、助言指導をしてまいる所存でございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 本当にそれでいいのですかね。知事が、財団に対しても厳しく指導する、アイヌ協会に対しても厳しく指導すると言ったにもかかわらず、現物がなく、払ったお金を返してもらう努力をしているだけで、本当にいいのか。私は、もしかしたら、これは犯罪かもしれないというふうに思っておりますが、多くの質問がありますので、次に進みます。
 次に、アイヌ文化振興財団がつくっている副読本についてお伺いをしてまいります。
 アイヌ文化振興財団が、小学校4年生と中学校2年生の全道すべての生徒に副読本を配って、授業を行っているというようなお話をお聞きしておりますが、副読本に書かれている表記には、多くの問題があるというふうに私は思っています。
 例えば、「1869年に」──明治2年ですが、「1869年に日本政府は、この島を「北海道」と呼ぶように決め、アイヌの人たちにことわりなく、一方的に日本の一部にしました。」という表記があります。この記述では、明治2年当時、アイヌが北海道を支配していたと認めるような文章になっていて、これは誤解を招く表記ではないかというふうに思いますが、この点について、私は、歴史的事実と認識が食い違うというふうに考えておりますが、部の見解をお聞かせ願います。
○(道下大樹委員長) 環境生活部長山谷吉宏君。
◎(山谷環境生活部長) 副読本の記述内容に関連してでございますが、財団で発行しております小学生向け副読本には、委員が御指摘の点が記述されておりますが、北海道の帰属などにつきましては、平成4年1月の、参議院議員からの質問主意書に対する政府答弁書によりますと、「いわゆる北海道本島は、我が国の固有の領土であって、これが具体的にいつ我が国の領土となったかは明らかではないが、江戸時代末から明治時代初めにかけて、我が国とロシアとの間で国境の確定が行われた際、いわゆる北海道本島については全く問題とならず、これが我が国の領土であることは当然の前提であった。」「いわゆる北海道本島は我が国の固有の領土であり、アイヌの人々は本来日本国民である。」「いわゆる北海道本島において、アイヌの人々が古くから住んでいたということは、文献等からみて通説になっていると承知している。」と記されており、そうした歴史的経緯を踏まえて、今日に至っているものと理解をしております。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) では、この副読本に書いてある「アイヌの人たちにことわりなく、」という表記は必要ないのじゃないでしょうか。何で断りを入れなきゃいけないのだというふうに思いますし、そこら辺のことは、しっかりと精査をしていただきたいというふうに思います。
 副読本について質問を続けますが、北方領土の件に関係してお伺いしますけれども、北方領土に関するパンフレットの「北方領土問題を学ぼう」の中に、「北方四島(北方領土)は、いまだかつて一度も外国の領土となったことのない」との記載がありまして、北海道本島も同じであるというふうに私は思います。
 平成19年に、国連総会において、アイヌが先住民であるという決議をしておりますが、この採択に当たって、我が国の考え方をしっかりと説明した上で、国連の決議として採択をしたというふうに考えておりますが、アイヌ民族を我が国がどう考えているのかということを御説明願います。
◎(山谷環境生活部長) 北海道の帰属の考え方などについてでございますが、先ほど御答弁を申し上げましたとおり、平成4年1月の、参議院議員からの質問主意書に対する政府答弁書によりますと、「江戸時代末から明治時代初めにかけて、我が国とロシアとの間で国境の確定が行われた際、いわゆる北海道本島については全く問題とならず、これが我が国の領土であることは当然の前提であった。」とされているところでありまして、そうした歴史的経緯を踏まえて、今日に至っているものと理解をしております。
 また、先住民族の権利に関する国際連合宣言の採択に際しての政府の考え方についてでございますが、平成21年7月に取りまとめられた、国における、アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会の報告書によりますと、政府の考え方につきまして、我が国政府は、宣言に言う自決権については、宣言が明らかにしているように、先住民族に対して、居住している国から分離、独立する権利を付与するものではないこと、宣言に言う集団的権利については、宣言に記述された権利は個人が共有するものであり、各個人がその有する権利を、同じ権利を持つ他の個人とともに行使することができるとの趣旨であると考えること、さらに、宣言に記述された権利は、他者の権利を害するものであってはならず、財産権については、各国の国内法制による合理的な制約が課されるものであると考えていることなどを説明したとされているところであります。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) ということは、多分、国連宣言の言う先住民と、我々がアイヌを先住民だとする先住民の意味は違うというふうに私は思っておりますし、ともすれば、アイヌの方々が先に北海道に住んでいて、日本人がそれを奪ったというような間違えた認識が広がっていると感じておりますので、それは違うのだということを、北海道としてもしっかり広報していただきたいと思いますし、それが非常に重要なことだと思っております。
 次に、副読本の編集委員の選任についてお聞かせ願いたいというふうに思いますが、この副読本は、編集委員会をつくって作成しているわけですけれども、編集委員長がアイヌ協会のある支部の支部長さんで、あとの多くは小学校の先生というメンバーで、この副読本をつくっています。本当に、これで問題がないのか。専門家が余り入っていないのですが、その点についてお聞かせください。
○(道下大樹委員長) アイヌ政策推進室長和田秀樹君。
◎(和田アイヌ政策推進室長) 副読本の編集委員の選任に関連してでございますけれども、財団では、この副読本の作成に当たり、学校教育の場で活用する補助教材として、道内外の小学校、中学校に配付するため、アイヌ文化伝承活動実践者が3名、アイヌの歴史や文化に関する研究者が2名、学校でアイヌに関する授業等に取り組んだ経験のある教員が4名、計9名から成る編集委員会を設置し、数次にわたる検討を行い、それぞれの専門分野ごとに分担執筆をし、相互にチェックするなどして作成するなど、財団において所定の手続を経たものと承知しております。
 副読本が義務教育課程において活用されることを財団におきましては十二分に認識して作成されることは、当然のことでありますので、このような視点のもとで、選任手続が進められることが必要ではないかと考えているところでございます。
◆(小野寺秀委員) 財団がつくっているからといって、北海道がその内容を知らないということにはならないと思います。
 先ほど言ったように、北海道に関して、アイヌに断りもなく、一方的に日本にしたというような表記は、本当に問題があると思いますし、日本国民の概念についての表記も、日本国民は多民族である、その中には、アイヌ民族や和人、在日朝鮮・韓国人が含まれるというようなことを書いてありますが、民族の定義もなしに、そのようなことを書いていいのかというふうに、私は非常に疑念を持っておりますが、もし、こういうような間違えた表記があった場合には、道は、どのような責任をとる必要があると考えているのか、お聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) アイヌに関します小中学生向け副読本の発行にかかわる道の対応などについてでございますが、委員が御指摘の副読本につきまして、その編集等につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、財団で、それぞれ編集委員等を選任し、編集委員会を設置して作成してきているところではあります。
 しかしながら、その記述内容や表現などにつきましては、学校教育の場で利用されるという観点から、児童生徒の発達段階に即し、わかりやすく、より適切なものとなるよう、不断に努めていかなければならないものであり、そうした観点に立って、編集の進め方などについて、財団を所管する国と協議し、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 別の財団事業の問題に移りますけれども、公開講座についてお聞かせください。
 公開講座についてですけれども、実は、北朝鮮関連の団体の講演会に参加して、アイヌの人たちにチュチェ思想を広めている人を、財団の公開講座の講師として、事業を行っているという事実が明らかになりましたが、問題がないのか、お聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) 財団の公開講座についてでございますが、この事業は、東京にある、財団のアイヌ文化交流センターにおきまして、首都圏の人たちを対象に、アイヌの伝統や文化についての理解を促進するため、開催しているものでございます。
 財団におきましては、アイヌの生活、文化等のさまざまな分野におきまして、専門的な知識や経験を有する方をアイヌ文化活動アドバイザーとして委嘱して実施しており、その委嘱に当たりましては、財団が判断しているものと承知してございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) ちょっとお聞かせください。
 チュチェ思想について、アイヌ協会の関係者が札幌で講座を開いているというふうに思いますが、その詳しい内容をお聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) ただいまの御質問につきまして、正確な情報は得ておりませんけれども、ある資料によりますと、9月29日に札幌で開催されたというふうに承知してございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) その主催した団体の名前を教えてください。
◎(和田アイヌ政策推進室長) インターネットの資料によりますと、その資料の下のほうには、日本キムイルソン主義研究会という名称が記載をされてございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) この講座に、アイヌの関係者──前の副理事長の方も講師として参加し、アイヌの方々に、チュチェ思想はすばらしい、アイヌ民族にふさわしい考え方だというような講義をしたやに聞いておりますし、別のアイヌの会員の方も、同じ講師として登場したというふうに聞いております。私は、これは大問題だと考えておりますが、次の質問に行きます。
 財団役員の選任についてでございますが、アイヌ協会のある役員が、水増し請求をして、不適切な支給を受けていたことが、平成22年の9月に確認をされました。
 同年9月に、その方はアイヌ協会の役員を辞任されておりますが、その人物が、アイヌ文化振興法に基づき、アイヌ施策を全国的に展開しているアイヌ文化振興財団の理事はやめないで、ずっと居座っております。このようなことでよいのか、道の考えをお聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) 委員が御指摘の財団理事の在職についてでございますが、委員が御指摘のとおり、当該理事は、さまざまな議論の中で、特に重責であったアイヌ協会の役職について辞職したものと承知をしているところでございます。
 財団理事については、当時、国と相談すべきであったかとも思いますが、そうした点での配慮に欠けていたことは、まことに申しわけなく思っているところでございます。
 今後につきましては、国、財団と相談をしてまいりたいというふうに考えております。
◆(小野寺秀委員) もう一人の方の問題についてもお聞かせください。
 天皇陛下が北海道に来られましたが、その9月9日に、実は、財団の別の理事が、天皇制反対の集会を開催しております。私は、憲法で認めている天皇を批判することは許されることではない、このような団体の理事としてふさわしい行為ではないというふうに思います。
 しかし、この理事は、10月13日に、一身上の都合ということで辞任届を提出し、10月24日に開催された財団の評議員会で辞任が承認をされております。
 財団は、寄附行為に基づき登記をし、大臣に届け出を行う必要がありますが、これをしっかりやっていたのか、お伺いします。
 また、道義的・社会的責任が生じているというふうに思いますが、財団は、これを一身上の都合というあいまいな形で整理していますが、それでよいとお考えなのか、お聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) 財団理事の活動に関連してでございますが、委員が御指摘のような事柄につきましては、先般、委員から御指摘を受けるまで、私どもとしては承知をしていなかったところであります。
 当該理事は、既に辞任を申し出て、評議員会で承認されているところでありますが、公益法人の理事は、その目的である公益を実現するために職務を担っているところであり、その選任に当たっては、そうしたことも踏まえて選任されるべきであると理解をしているところでございます。
 なお、財団の寄附行為には、理事に異動があったときは、2週間以内に登記し、遅滞なく主務大臣に届け出なければならないこととされておりますが、職務がふくそうしていたことなどから、手続がおくれ、12月1日に届け出を行ったと聞いております。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 多分、私が指摘をしてから、慌ててやめたというふうに考えておりますが、実は、平成21年の2定の予算特別委員会において、知事は、「財団における事業の運営全般について、改めてしっかりと指導していかなければならないと考えている」というふうに、私の質問に答弁をしておりますが、その後、道として、きちんとした指示や対応を行ったのでしょうか。それで、このような結果であれば、本当に残念としか言いようがありませんが、財団の現状をどのようにお考えになるのか、お聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) 財団事業に関しましての現状、それからまた、私ども道としての指導についてでございますが、アイヌ文化振興財団の助成事業につきましては、これまで、委員から御指摘をいただいた点について、道として、財団に対し、再発防止に向けた改善策の策定を求め、その実施について指導を行い、財団としても改善策を策定し、それに基づき、財団役員が、事業実施中の現地に赴き、確認調査を実施し、また、助成事業の申請及び実績報告書の審査を厳格に行うなど、不適切事案の再発防止に取り組んでいるところであります。
 道といたしましても、こうした現地に実際に赴き、調査をするとともに、財団には、その報告を求めているところであります。
 いずれにいたしましても、道としては、財団の事業が適切に行われるよう、今後とも、的確に指導助言をしてまいる所存でございます。
◆(小野寺秀委員) 的確に指導助言をしていないのですよ。的確に指導助言をしていないから、こんなへんてこりんな役員が2人も登場するわけです。しかも、それを知らなかったということですから、道は、本当に真剣に、財団を適正な団体にしたいというふうに思っているのか、私は非常に疑念を持っております。
 財団に関する質問はこの程度にいたしまして、次に、アイヌ施策の中の、アイヌ住宅改良事業についてお聞かせください。
 アイヌ住宅改良事業についてでございますけれども、この事業は、アイヌの人たちの住居を快適にするための資金ということで、市町村を通してお金を貸すという事業になっております。
 まず、この事業の貸付件数と貸付額が幾らなのかをお教えください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ住宅改良事業の貸し付け状況等についてでございますが、本事業は、市町村が条例等を制定いたしまして、アイヌの人たちに、住宅の新築や改修、または住宅の用に供する土地の取得のための資金を貸し付けることに対しまして、国の補助を受け、道がこの事業費の一部を市町村に補助することによりまして、アイヌの人たちの居住地域の整備改善を促進することを目的といたしまして、昭和48年度から実施しているところでございます。
 平成22年度末現在、市町村が貸し付けを行いました、それまでの貸付件数は、51市町村におきまして3184件、その貸付総額につきましては約145億円となっているところでございます。
◆(小野寺秀委員) そのうち、免除した件数とその額、さらに、今までの滞納額は幾らなのか、お教えください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ住宅改良事業の免除件数等についてでございますが、これまで、全道の市町村において免除をした件数は35件であり、免除した総額は約1億400万円となっているところでございます。
 また、平成22年度末における滞納件数は、全道の関係市町村の総計で761件であり、滞納額は約16億5400万円となっているところでございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 10分の1以上が返ってきていないということでございますけれども、市町村事業であっても、これだけの滞納額になっているということについては、道としてもしっかりと指導すべきであるというふうに考えますが、今後の対応をお聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ住宅改良事業制度についてでございますが、道としましては、これまでも、市町村に対し、国及び道の要綱、各市町村の条例等の関係規定の遵守、貸付決定時の審査、制度趣旨の徹底、適切な償還計画の作成、滞納対策の強化、悪質滞納者に対する法的措置の検討につきまして指導を行うとともに、アイヌ協会に対し、償還状況が悪化している事実を踏まえ、住宅資金の償還金滞納に対する是正について申し入れを行い、当協会では、総会等におきまして、滞納状況の是正を各会員に対し指導しており、引き続き、市町村等に対し、指導を行っていく所存でございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 今まで、761件の滞納があるということでございますが、その中に、悪質滞納者というのは1人もいなかったのか、法的な措置の検討をされた方がいたのか、いないのか、それだけ教えてください。
 それじゃ、いいです。ただ、こういうことも確認しておかないで、本当に、市町村にしっかりとした指導ができるのかというふうに私は疑念を持ちます。
 もう一点お聞きしたいのですが、この制度に関して、平成18年度に北海道アイヌ生活実態調査を行っておりますが、この結果についてお聞かせを願いたい。
 また、道民の持ち家比率とアイヌの方々の持ち家比率がどのようになっているのか、さらに、この制度を使った方が過去5年間でどれだけいたのか、お教えください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ住宅改良事業制度についてでございますが、平成18年度に実施した北海道アイヌ生活実態調査によりますと、住宅の持ち家率は66.8%であり、一般の持ち家の全道平均の56.9%に対しまして、9.9ポイント上回っているところでございます。
 この制度は、昔から地域に居住しますアイヌの人たちの住宅環境の改善を促進することを目的とするものであり、この5年では、十数件の利用にとどまっているところであります。
 道におきましては、今後、この制度のあり方について、国及び市町村の考え方をお聞きしてまいりたいというふうに考えてございます。
◆(小野寺秀委員) 道民の平均よりも、アイヌの方々は9.9ポイントも持ち家率が高いということについては、本当に、この制度は必要あるのかなというふうに私は思っておりますし、実際に、これだけお金を返さない方がいるのだとしたら、これは市町村の負担にもなりますし、この制度の根本的なあり方を見直す時期に来たと私は思っておりますので、対応をしていただきたいというふうに思います。
 次に、アイヌ協会の返還金についてお伺いをしていきます。
 これまでの一連の不適切事案に関して、アイヌ協会は、平成23年2月に、国や道、アイヌ文化振興財団に対して、すべての返還が完了したというふうに発表をしております。
 その中で、本来、関係支部等が支払うべきものについて、アイヌ協会本部が立てかえて、お金を支払っているという状況がありますが、この立てかえ分の返還が今どのようになっているのか、お伺いをします。
 また、アイヌ協会日高支部が平成16年に実施した国際文化交流事業に関し、旅行代理店から、航空代金の支払い訴訟が提起され、その代金の立てかえ払いをなぜ協会本部が行っていたのか、お伺いします。なぜ、協会本部が行う必要があったのか、また、その原資は何だったのか、お聞かせください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ協会の返還金への対応などについてでございますが、初めに、アイヌ協会の立てかえ金の返還についてであります。
 立てかえ金の返還に当たりましては、本来、不適切な執行処理を行った関係支部等に負担させるべきであるものの、早急に返還すべきとの判断で、立てかえを行ったところであります。
 本部が立てかえをいたしましたものは、5支部、3団体、個人事業者の合計9件であり、その総額は約1409万円となっており、平成23年11月末現在の、立てかえ金の返還、請求などの状況につきましては、本部に完済したものが、1支部、約10万円、本部に分割払いを行っているものが、1団体及び個人事業者、約524万円、支部が前釧路支部長に請求中のものが、3支部、約323万円、団体において取り扱いを検討中のものが、1団体、約54万円、支部、団体が求償方法等を検討中のものが、1支部及び1団体、約498万円となっており、また、返還が完了または一部返還がなされたものは、本部に完済したものが、1支部、約10万円、及び、本部に分割払いを行っているものが、1団体及び個人事業者、約524万円の一部の約71万円の、合計、1支部、1団体、個人事業者で約81万円となっているところであります。
 道としては、あくまでも立てかえ金としての処理であるものの、資産の保有目的を勘案すれば、早急に回収が図られるべきものと考えているところでございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 日高支部に関する質問の答弁もお願いします。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) 日高支部に対します、旅行会社からの航空代金の支払い訴訟の関係でございます。
 日高支部に対する、旅行代金の支払い訴訟につきましては、平成16年度に日高支部が実施した国際文化交流事業に係る航空券代の約225万円が未払いであったために、平成16年9月に、旅行会社より、本部である社団法人アイヌ協会及び日高支部長が提訴され、その後、裁判所から和解案が提示されたことから、協会本部が未払い請求額の全額を支払うことで、平成17年2月に、原告である旅行会社との和解が成立したところであります。
 同年3月、理事会で立てかえ決定をし、本部が立てかえた未払い請求額の全額は、当時の理事長以下、24名の全理事が一定額を自己負担したものと聞いているところでございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) 答弁は長いのですけれども、例えば、不届き者がいるとして、その者からしっかりとお金を取らないと、多くの会員が迷惑をこうむるということなのですよ。毅然とした対応がどこにも見られない。実際に、いろいろな事案を見ても、なぜか理事が立てかえたりしていて、何でこんなことになっているのか、私はよくわかりません。
 もしかしたら、多くの問題で、訴えられるような事案もたくさんあるはずなのですけれども、それも一件もないということは、本当に社団法人の対応としてふさわしいのか、多くの税金がつぎ込まれている団体としてふさわしい対応なのか、私は本当に疑問を持っております。
 次に、アイヌ協会からの報告についてでございますが、一連の不適切事案に係る返還金に関する、アイヌ協会や関係支部等の返還等に対する調査の結果について、アイヌ協会から道に報告があったというふうに聞いておりますが、どのような報告だったのか、改めて教えてください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ協会からの報告についてでございますが、アイヌ協会としては、一連の不適切事案で返還対象となった事業のほとんどが支部において執行された事業であり、支部に対して、その返還金の負担を求めたところですが、返還に当たっては、本来、不適切な執行を行った者から徴収すべきものであるとしたところでございます。
 このため、アイヌ協会は、返還対象となった関係支部に対し、不適切な事業執行の要因はどこにあったのかを解明し、再発防止に努めるとともに、返還金はだれが負担すべきなのか、支部で調査をし、その結果に基づいて、本来負担すべき者に求償すべきとして、平成22年3月、その旨、指示をされたと承知しているところでございます。
 その結果につきましては、講師謝金の過払いなどの不適切事例、及び、なぜそのようなことが起こったのか、その要因、また、その返還金額や、支部の支払いか本部の立てかえかの返還者、さらには、調査結果や負担理由に基づいた負担者の特定、納付済みか請求中かなどの状況を本部が支部に対し確認を行い、確定したものについて、理事会の決定などを経て、平成23年5月に、アイヌ協会から報告を受けたところでございます。
 道としては、この調査結果に基づきまして、協会本部と支部が連携を強めるなどして、この返還の取り組みを着実に進め、早期に協会運営の健全化が図られるよう、指導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) これは、皆さんがはっきり指導していないから、こんな事態がずっと続いているということを本当に認識していただきたいと思いますが、時間の関係上、次の質問に行きます。
 次は、アイヌ協会支部の問題ですけれども、実は、アイヌ協会の中で最も大きい札幌支部の平成23年度の総会資料の議案に、自治権の要求というような項目がありまして、自治憲法制定、議会開設、国歌・国旗をつくる等々の話し合いがなされているというふうに書いてありますが、実際にこれが本当だとしたら、大問題だというふうに思いますが、道として、この事実を確認したのか、また、どう思っているのか、お聞かせください。
◎(和田アイヌ政策推進室長) アイヌ協会札幌支部の事業に関連してでございますが、私どもとしましても、札幌支部の総会資料で、平成20年度から、そのような記載があるということは確認をしているところでございます。
 北海道アイヌ協会は、アイヌ民族の尊厳を確立するため、その社会的地位の向上と、文化の保存伝承及び発展を図ることを目的に設立されました法人で、その会員は、市町村を単位とした支部と規定されているところでございます。
 委員が御指摘の点につきましては、アイヌ協会は、今後のアイヌ政策の全国展開を進める上で、極めて重要な役割を担っておりまして、その会員である支部においても、その役割は当然のことと考えておりまして、社会通念に照らし、協会において適切に判断されるべきものと考えているところでございます。
◆(小野寺秀委員) アイヌ協会の一支部が、自治権の要求ということで、自分たちの憲法をつくるだとか、議会をつくるだとか、国旗・国歌をつくるというような議論をしていることに関して、道としては、社会通念に照らして、その役割は当然のことと考えているのか、いないのか、そこを聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) これまでのアイヌに関するさまざまな国際的な取り決め等、議論はさまざまあろうかというふうに存じます。
 しかしながら、公的な役割を担い、アイヌ政策を推進する上で重要な役割を担っているアイヌ協会としては、支部におきましても、そうした役割を担っているという認識のもとに、社会通念に照らし、適切に判断されるべきものというふうに考えております。
◆(小野寺秀委員) 道は、何をやっても関係ないのだ、協会が考えて、社会通念上のことをやってくれればいいみたいな話で、本当に指導できるのですか。何を指導するのかということを本当に皆さんに聞きたいところでございますが、次の質問に行きます。
 知事は、平成21年の決算特別委員会で、今の私の意見に関連しますけれども、アイヌ協会の法人運営のあり方や定款の見直しなど、抜本的な指導をしていくというふうに答えています。今の皆さんの答弁では、そのような意気込みがありませんでしたが、現在、どのように進められているのか、改めて教えてください。
◎(須貝アイヌ政策推進室参事) アイヌ協会の体制強化についてでありますが、アイヌ協会におきましては、一連の不適切事案の要因等を踏まえまして、平成22年3月に、アイヌ文化振興財団助成事業等の実施に係る改善策を取りまとめるとともに、外部有識者や、道の関係部の課長職もオブザーバーとして参画し、協会組織のあり方等検討委員会を設置いたしまして、平成23年5月には、報告書として取りまとめたところでございます。
 それらの主なものといたしましては、役員を地区監理役員とした指導体制の強化でありますとか、公認会計士による支部への指導、協会の組織運営の透明化などを行い、組織体制や内部統制などの改善に取り組んでいるものと承知しているところでございます。
 また、協会におきましては、新法人への移行の課題といたしまして、支部のあり方の見直しや、理事任期、役員数、会計処理などについて改善を行うこととしておりますが、なお、道として、さまざまな課題があると認識しており、厳しく指導助言を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 以上であります。
◆(小野寺秀委員) 何が、どう厳しく指導しているのでしょうか。
 あり方等検討委員会というのができた経緯は、アイヌ協会において多くの不正や多くの問題があって、どうにかこれを立て直さなければならないということで、できた委員会でございまして、明らかに、多くの問題があるというのが前提になっているわけです。
 その前提の中で、例えば、札幌支部で、このようなおかしな会議がなされている、さらに、先ほど財団の話もしましたけれども、財団においても、おかしな動きがあるということでしたら、道としては、財団や協会に対してしっかり指導していく責任があると思いますし、それが納税者に対してもしっかりと説明責任を果たすという役割を道が担えることだというふうに思っております。
 今まで、いろいろ多くの質問をしてきました。全般にわたって知事に聞かなければいけないというふうに私は考えておりますが、部長にお聞かせを願いたいのです。
 実は、まだまだ多くの問題があるというふうに私は思っておりますし、実際に、私のところに、ある問題があるのだということで情報提供がありました。今、それを精査しておりますが、多分、間違いなく、問題があるのだろうというふうに考えておりますが、今後、アイヌ協会に問題があった場合──あり方等検討委員会をして、道が厳しく指導しているという中で、さらに多くの問題が発生した場合には、これはもうアイヌ協会の存続の問題につながるというふうに考えておりますが、道として、今後、アイヌ協会に対してどう対峙していくのか、これからの取り組みについてお聞かせください。
◎(山谷環境生活部長) アイヌ協会に対する対応についてでございますが、アイヌ協会では、これまで、種々御批判を賜り、不適切事案の再発防止の改善策として、役員等による指導や監査の徹底、倫理規定の設置など、さまざまな事項について取り組むとともに、組織運営のあり方等検討委員会を設置して、今後、適正な助成事業の執行体制の確保や、新しい法人制度への移行に向けた組織運営の改善策について取りまとめ、現在、信頼回復に向け、鋭意努力しているものと承知をしておりますが、今後とも、協会の運営や事業の遂行について、批判を受けることのないよう、道としては、引き続き、協会から改善策の実施状況などについて随時報告を求め、取り組みが適切かつ確実に実施されるよう、指導監督を徹底してまいる考えであります。
 なお、今後、支部などにおいて不適切な事案が発生した場合には、協会本部はもとより、支部運営のあり方や定款の見直しを初め、法人運営体制の抜本的な改革について、関係部と協議し、厳格に対応してまいる考えであります。
 以上でございます。
◆(小野寺秀委員) この一連の流れは、例えば、アイヌ文化振興財団においても、いろいろな問題があって、道は、指導すると言っていたにもかかわらず、大した指導もしていず、役員についても、とんでもないことを行っていた。
 アイヌ協会に関しても、アイヌ協会の支部で、非常に不適切な会議を開いていたことや、アイヌの政策についても、まだまだ多くの問題があるということを皆様に対して指摘させていただきました。
 一連の問題は、今後、アイヌ政策をどうしていくのかという、知事の思いをしっかりと聞かなければ、議論できないということで、この点について知事総括質疑に上げたいと思いますので、委員長のお取り計らいのほどをよろしくお願い申し上げます。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございます。
◆(小野寺秀委員) それでは、朝鮮初中高級学校について、通告に従いまして、質問をします。
 いわゆる朝鮮学校ですけれども、在日朝鮮人の子弟等を対象に民族教育を行っており、拉致問題に関しても、日本当局は拉致問題を極大化しているなどと、反日的とも言えるような教育が行われてきております。このような学校に対して公的な税金を投入することは大きな疑問があるという声も多々ありますが、そもそも、助成の趣旨はどのようなものなのか、お伺いをします。
◆(小野寺秀委員) 私としましては、道内に居住する外国人のお子さんたちよりも、海外にいる道民の子どもたちに、学力向上のためのお金を上げたいという気持ちはございますが、本当に、道内のインターナショナルスクールと同列に扱っていいのかという疑問があるのですけれども、北朝鮮による拉致が明らかになり、昨年11月にも韓国への砲撃事件が起きるなどして、北朝鮮に対する国際・国内的な世論は、さらに厳しいものになっております。
 朝鮮学校への助成についても、各自治体で凍結するなどの動きがあると承知をしておりますが、今年度の補助金について、朝鮮学校のある都道府県ではどのような状況になっているのか、お伺いします。
◆(小野寺秀委員) それぞれの自治体で、いろいろ検討しているということでございますけれども、先日、学事課の職員が、拉致問題に係る学校の授業を直接確認したというふうに聞いておりますが、補助金を目的に、そのときだけ都合のいい授業をしたということも想像できるようなできないような感じ──その疑念はぬぐえないわけでございますが、具体的には、拉致問題について、どのような授業が行われていたのかをお伺いします。
◆(小野寺秀委員) 教科書においては、問題のある記述が削除されたとのことでありますけれども、拉致問題そのものの記述がなくなったということが問題ではないかと思っております。
 日本の教科書や副教材を用いて補足が行われたということでございますが、肝心の教科書に記述がないのでは、将来を担う子どもたちに本気で正しい知識を身につけさせようという意識がないのではないかというような気がしますが、見解をお伺いします。
◆(小野寺秀委員) ちょっと確認したいのですけれども、道内には拉致被害者の方がいるということで確認をしてよろしいでしょうか。
◆(小野寺秀委員) 認定された方が1名いるということで、1名は必ずいるということでございます。
 そこでお伺いしたいのですけれども、学校や教室等々に、金日成、金正日の肖像画がかかっていたか、いなかったか、そこを教えてください。
◆(小野寺秀委員) 実際に、道内には拉致被害者の方がいる、しかも、勉強している教室に、金日成、金正日の2人の肖像画があるということは、その方たちの感情を考えたときに、本当にそこにお金を拠出していいのだろうかというふうに、私は素直に思います。
 実際に、拉致被害者の感情を逆なでするような肖像画が教室に掲げられている、そういうところに補助金を支出するのはふさわしいのかということをもう一度議論しなければならないと私は思っております。
 また、例えば、先日、この朝鮮学校の50周年式典があり、そこに、アイヌ協会の前副理事長御夫婦が御出席をされていたということでございます。
 この人は、北朝鮮を訪問し、いわゆる主体思想──チュチェ思想を学んできたとのことであり、ことし9月にも、アイヌの方々を対象にセミナーを行い、これからはアイヌも主体思想でいくべきだという旨の発言をしている、そのような人が朝鮮学校の式典に参加をしていたということは、かなり、北朝鮮の思想と、この学校の思想がねじ曲げられているのではないかというふうに考えているところでございます。このようなこと一つをとってみても、北朝鮮と深くつながっている学校なのではないか。
 北朝鮮は、拉致の事実は認めたものの、その後、誠意のある態度をとっているとは全く思えず、このような問題は、いまだ未解決で、何も解決をしておりません。
 拉致被害者の家族や国民の感情を考えると、このような国と密接につながっているのではないかというような疑念のある学校に対して、今までどおり淡々と補助金を支出して果たしていいのか。
 一部の自治体では、管理運営費に対してではなく、学校が行う国際交流事業を対象に補助金を支出しているところもあります。
 また、道内のもう一つの外国人学校である北海道インターナショナルスクールと比較した場合、補助金の積算方法は同様でありますが、1人当たりの単価で見ると、朝鮮学校のほうが非常に高くなっております。
 先日、我が会派の議員の代表格質問への答弁では、道からの申し入れの趣旨に沿った対応がなされているとのことでありましたが、財政面などでの疑問も報道されており、道では、一度立ちどまって、補助金の扱いについて慎重に検討すべきであるというふうに考えますが、今年度、どのように対応するおつもりなのか、改めてお伺いします。
◆(小野寺秀委員) 私の質問はこれで終わりますけれども、この朝鮮学校の補助金の扱いに関しては、横路さんが知事だったときに、国際交流ということで導入されたと私は記憶しておりますけれども、その点から見ても、知事の考え方によるところが非常に大きいと思いますので、この点は、知事に直接、考えをお聞きしたいということで、知事総括質疑に上げたいと思います。委員長のお取り計らいをよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

アイヌ医療政策史の研究

http://jsmh.umin.jp/journal/15-2/15-2.pdf#page=53
日本医史学雑誌
第15巻 第2号
昭和44年8月31日発行

11 アイヌ医療政策史の研究放射(誌上発表)
松木明知 ※https://goo.gl/nAURp2
論文DB ※https://goo.gl/FB2P7H

 往時アイヌ民族は本州にも広く分布居住していたが、日本民族が次第にその勢力を拡大伸展するにつれて徐々に北方に圧迫され、現在ではわずか約一万五千人程が北海道の各地に存在しているにすぎない。

 このようなアイヌ民族衰亡の一原因として彼らの衛生状態が極めて悪かったことが指摘される。アイヌに対する政策について政治経済的立場から考察した研究は多いが、医史学的見地から論考した報告は少ない。
 本報告ではアイヌに対する医療政策の史的変遷について次のような時代区分で考察を加えた。

『旧藩時代以前の医療』
 古来アイヌは医師がおらず、他の未開の民族に見られる如くポタラグル、エポタラグル、ヘシュリウタレなど一種のシャーマンとの言うべき人がその任に当たっていた。実際の医療面についての詳細は知るところがない。

『旧藩時代の医療政策』
 寛政年度以前は松前藩はわずなに松前地方を支配しているにすぎなかったため、アイヌに対する医療政策の上からは見るべきものがなく、安政十一年東蝦夷地が幕府領となり約十ヵ所の会所が設けられたが、町医者を雇って和人、アイヌ人の診療に従事せしめた。いわゆる御雇医師で寛政年度に六人、文化年度に十一人、文政年度には十三人と記録されている。

 この頃各場所の運上屋の支配下にあるアイヌは疾病に罹患した際、申し出て医師の治療を受けるよう例年の「オムシャ」の礼で諭告されている。

 この期の蝦夷地における医療政策史上特筆しなければならないのは安政年度の桑田立斎らによるアイヌ強制種痘であり、また億蝦夷地に越冬して各藩戍兵の間に多発した壊血病(俗にはれ病い)の問題であった。壊血病の発生は文化元年から始まったもので幕府も大槻玄沢、多紀元簡などにその対策を命じたほどであった。

『開拓時代の医療政策(明治二年~十五年)』
 明治二年七月蝦夷地が北海道と改称され、開拓使が新たに設けられた。それまでの場所請負制度が廃止されアイヌに対する政策も改革が加えられた。とくに衛生関係のものでは官位に依る無料施療、堕胎禁止、老人幼児に冬季生活資料の給付、困窮者の出生児に対する玄米の給付などがその主なものであった。

 札幌その他二十三ヵ所に病院が設置され、和人アイヌ人にも診療が行われた。

『三県時代の医療政策(明治十五~十八年)』
 明治十五年一月開拓使が廃止され、札幌、函館、根室の三県に分割統治されることになった。松方蔵相のデフレ政策の影響もあったが、土人撫育費は急激に増額され、大規模な勧農政策がとられた。

 札幌県では「旧土人救済方法(一~十八条)」、根室県では「根室県内旧土人救済方法(一~二七条)」を制定しアイヌ救済を企てたが、函館県はアイヌが少なかったためこのような規定は設けなかった。

『道庁時代の医療政策(明治十九年以降)』
 三県制度が廃止され、道庁が札幌に設けられた。それまでの政策によってアイヌは狩猟漁撈生活から農耕生活へと大きな転換を余儀なくされたが、このため広大な耕地を必要とし、「北海道土地払下げ規定」や「地券発行条例」でアイヌの土地を確保しようとしたが、アイヌの怠慢な生活態度のため成功せず、このような実情を背景に明治二十六年からアイヌ保護問題が国会で論議され、遂に明治三十二年に「北海道旧土人保護法」が法律第二七号として成立公布された。

 しかし、これのみでは実際のアイヌ救済に不備であるので別に「旧土人救済規定」を発令した。

 これらの規定によりアイヌは施療を受ける得点を与えられたが、実際に受診する病院が少なかったので、アイヌの多く居住する平取、静内、白老、浦賀に土人病院を大正九年から大正十一年にかけて設置した。いずれも約五〇坪の建物で医員一~二名を配置し入院も可能であった。これでもまだ病院が不足であったので大正十二年北海道庁は一〇〇余ヵ所の「土人救済」を設置しこれに対処した。

 一方、民間においては関場不二彦はジョン・バチェラーと協力して「アイヌ病院」を札幌に設け、明治二十五年から二十八年までの四年間に四〇〇余名のアイヌ患者を治療した。

 以上のような状態が大正末年まで続いた。アイヌの人口は旧藩時代から多少能増減は見られたがほぼ一万五千人を数え、彼らに対する撫育費についてみると、開拓使時代(明治一~十四年)の平均年額は七二四円、三県時代は五一七三円、道庁時代の「旧土人保護法」成立前(明治十九年~三十二年)は平均年額一〇八六円、成立後(明治三十三年~四十年)は七二四五円となっている。すなわち三県時代アイヌに対して勧農作など大規模な政策が企てられたが、統計の受けからもこれが窺われる。

 明治五年の歳出総額一九三万円が明治四十年には二九五万円と約一・八倍になったが、土人撫育費は明治五年の五四五円から明治四十年の一〇三八四円と約二〇倍になっており、このことはアイヌ撫育費をこのように増額しなければならないほど、彼等の生活状態が極度に悪化していったことを示すものであろう。

『総括』
 旧藩時代は豊富な海産資源その他の調達に必要な労働力の供給という面からアイヌ民族の人口減少の一要因であった疫病の予防策がとられた。明治維新後は開拓使などの施策により、それまでの漁撈狩猟生活から農耕生活へと大きな転換を余儀なくされ「旧土人保護法」その他の法律によって種々撫育授産に努力したが、結果的には滅び行く少数民族への慈悲的消極的施策に終止したとも言える。しかし一面に風俗習慣など日本人とは全く異なるアイヌ民族自身にもその責任の一端があったことは否定できない。明治三十二年に制定された「北海道旧土人保護法」は昭和四十三年六月、法律九四合により一部改正されたが、これはとりもなおさず日本人とアイヌ人とを区別したものであり、現在の実情に添わないことは今さら論を俟たない。